ストーンの『病気の治療因子ビタミンC』には、ウイルス性肝炎の場合がいくつか紹介されています。それがいずれもクレナーの処方より少量のビタミンCを使っている点はおもしろいです。
1960年、ベートゲンは、肝炎の小児245人に、一日10グラムのビタミンCを投与してみました。すると、2~3日後には、食欲の増進、体重の増加を見ることができ、黄疸は急速に消退し始めた、といいます。普通なら30日かかる肝臓の腫脹の回復に、9日しかかからなかったそうです。
肝炎は生易しい病気ではありません。特効薬がないので、低脂肪高タンパク食とビタミンB2を与え、安静に保つのが常道とされます。こうして、手をこまねくような形で、気長に回復を待たなければなりません。≪光線療法≫が有効だという報告もありますが、ウイルス性肝炎には、A型・B型・非A非B型の三種があって、特に患者が多くて問題になっているのは≪B型肝炎≫です。しかし、ビタミンCに重点をおく場合、このような区別はどうでもよいです。ポイントはビタミンCの投与量にしぼられます。ポーリングの方法を尊重するならば、まず最大耐容量をつきとめる必要があります。
B型肝炎ウイルスは、宿主細胞を殺さず、寄生し共存します。潜伏感染の形をとるのです。ATL(成人T細胞白血病)ウイルスや、ヘルペスウイルスも、このタイプです。これらのウイルスは、母から子への垂直感染の形をとりやすい。
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