血清タンパクは血中に留まるべきものですが、これが尿に出る病気をひっくるめて「ネフローゼ症候群」といいます。
腎臓は血液のろ過装置だといわれますが、その重要な仕事を受け持つ「糸球体」が異常を起こしたのです。
一日に排出される尿タンパクが3.5グラム以上あり、低タンパク血症、高脂血症となって浮腫がでれば、ネフローゼという診断になります。
もっとも、タンパク尿以外の症状が顕著でない人もいます。
高脂血症とは、コレステロールを含むタンパク質「リポタンパク」過剰の状態を指します。
血清タンパクの減少を補うために、リポタンパクがあらわれるのです。
ネフローゼは糸球体の病変ですが、この病変の引き金となる病気はなかなか多いです。
糸球体腎炎、糖尿病、感染症、薬物中毒などです。
ネフローゼの対策としては、高タンパク食がトップにきます。
尿中に排出される分も補わなければなりません。
安静と減塩が必要です。
薬としては、コルチゾールのようなステロイド剤がよく使われますが、病気がおさまったからといって急にやめると、ショック死の危険があります。