神経の特異性

◉神経の特異性

 

a. エネルギーの消費は少ないが酸素の要求は多い。そのため神経細胞は多量の血液を要求する。

→脳の重さは50分の1ですが、心臓が拍出した5分の1の血液が脳にいっています。
酸素が不足する時、他の器官は痛痒を感じないのに、脳は早々に感知してきます。狭い室内に大勢こもっていたり、寒いとき室内でストーブを焚いていて、室内の二酸化炭素の濃度が上がった時、頭痛・めまい・吐き気を起こしますし、その時点で適切な対策をとらないと、失神・人事不省・死に至ることもあります。

 

b. 再生しない。

→脳死という事があります。事故や心臓疾患などで心臓の鼓動が停止した時、速やかに人工呼吸と心臓の鼓動に代わる心臓マッサージを続けていなければ、心臓が動き出しても脳は再び働きません。それがいわゆる脳死です。
臓器移植というものがありますが、他の器官には何の異常もないから、その器官をもらって傷んだ臓器と取り替えようというわけです。また、片麻痺のように脳血管障害で、半身が動かない場合、その回復が難しいのは、壊死した脳の再生が期待できないからです。

 

c. ダメージを受けたら回復が遅い。

→炭鉱のガス爆発などで、一命をとりとめても、その回復に10年~20年と長期間を要します。坐骨神経痛など夜も痛くて目がさめるという状態が長く続いていると、その原因(多くは仙腸関節の変位であり、この変位のため坐骨神経に栄養を与える血行が悪くなります)を取り除いても完全な回復は数ヶ月という長期間が必要です。

 

d. 知覚神経以外はダメージを受けても痛まない。

→顔面に分布する神経には、顔面神経と三叉神経があります。三叉神経は知覚神経ですから三叉神経痛を起こしますが、顔面神経は顔面神経麻痺を起こすほどのダメージを受けても痛みを感じないのです。また、同じ椎間孔から出たのに、肋間神経は痛みが出るのに、臓器に行く自律神経は知覚がないので痛まないのです。