かたい体(筋肉)を柔らかくする方法

筋肉はタンパク質でできています。
筋肉細胞内部の器官は絶えず壊れ、作り直されています。
したがって、作り直しの材料であるタンパク質の補給を怠っては、筋肉が劣化するのは当たり前です。

筋肉というものは筋繊維があり、そのなかに筋原繊維があって、さらにそのなかにタンパク質のフィラメントがある、という構造になっています。
フィラメントには、アクチンとミオシンとの二種のタンパク質のものがあって、筋肉の収縮は、この二種のフィラメントのすべり運動に他ならないことになります。
筋肉がかたいということは、伸縮がスムーズに行かず、フィラメントのすべり運動がうまく行かないことでしょう。
普通の人の場合、これは乳酸の蓄積またはフィラメントの酸化によって起こります。いわゆる筋肉のコリがそうです。

この乳酸をなくす方法は二つあります。
一つは、ビタミンB1によって、これを二酸化炭素と水にまで分解してしまう方法です。
もう一つは、細胞膜の透過性をビタミンEによって正常化して、乳酸を筋肉細胞から外に追い出す方法です。
もちろん、両者の併用が理想的なわけで、これは肩こりをほぐす方法にもなります。

筋肉は頻繁に収縮を繰り返しますが、ビタミンB1が不足していれば、その都度乳酸が発生します。だから、筋肉がかたくなるのは当然と言えるでしょう。

一方、筋肉の収縮にはエネルギーを必要としますが、そのエネルギーは、脂肪酸、グリコーゲン、クレアチンリン酸などからつくられます。
筋肉がかたくなっているのは、こういうもののストックが底をついている証拠でもあるのです。
このうちクレアチンリン酸は、ビタミンEがないと、筋肉中に保持されません。このビタミンがなかったら、クレアチンリン酸は、利用されることなしに、尿に出ていってしまいます。

ビタミンEは、血液の粘度を下げることによって血行を改善します。
かたくなった筋肉は、血管を圧迫して細くしているでしょうから、このビタミンEの作用に期待する必要があるわけです。血液がよく流れていかなかったら、筋肉作り替えの材料の輸送がうまくいかないはずではないでしょうか。

以上の理由で、高タンパク食とビタミンEをおすすめします。