ガンとビタミンB群とタンパク質

いくつかの発ガン性のアゾ色素を投与した動物実験では、ビタミンB2が欠乏すると早くガンで死亡しやすいが、一方で、このビタミンを十分に与えると、そのガンの発生を完全に防げたとの報告があります。その他の実験でも、ビタミンB2の欠乏したラットに、有害色素を与えて、リンパ腺や肝臓にガンを発生させています。しかも、そのガンがある程度まで成長し始めた後に、追いかけて大量のビタミンB2を投与すると、その後のガンの進行は止まりました。またこの場合も、適切な食事をとらせた動物では、やはりガンは発生しませんでした。

食事でタンパク質や必須アミノ酸が欠乏すると、非常にガンにかかりやすくなります。やはり有害色素による発ガン実験で、タンパク質が欠乏するとガンは多発しやすいですし、また早く発生しましたが、このガンの進行はビタミンB2を投与するか、または十分にタンパク質を与えると、かなり抑制できました。特に、ガンにかかりやすい系統のマウスに、タンパク質とビタミンB2の多い飼料を与えると、自然発生ガンはできませんでした。ガンに抵抗力の強い系統の動物に比べると、ガンになりやすい系統の動物では、栄養要求量が特別に大きいようです。この所見は、ガンにかかりやすい人についても、同様に適用できるかもしれません。

その他のビタミンB群についても、その投与量次第で、多くのタイプのガンに対して保護作用を持っています。例えば、ビタミンB6が欠乏すると、ガンが早く発生します。しかし、このビタミンB6を過剰に投与すると、ビタミンB2の多い排泄を促すので、逆にガンの進行を早めました。同じようにビタミンB2だけを過剰に与えると、ビタミンB6の欠乏を招いて、ガン腫瘍の発育を速めました。こんな事実があるので、ビタミンB群のサプリメントでは、いつでもビタミンB2とB6の含有量が等しいものを選びます。

自然発生の肝ガンに対する動物の抵抗力は、軽度のコリンの欠乏で(特にタンパク質の摂取も不足した場合に)低下しました。この種類のガンは、飼料中の牛乳タンパク質を二倍に増すと、その発生をよく防げます。肝ガンを持った動物に、コリンとタンパク質を20%含む飼料を与えると、ガンが見当たらないほど完全に回復していることが、解剖の検査で確かめられました。低タンパク質、低コリンの飼料を与えられたラットのガンは、人の肝ガンに見られるのと全く同じ病理的変化を示すと言われます。多くの研究者は、肝臓障害と肝硬変は肝ガンに大変移行しやすいと考えています。

ビタミン様物質のベタインは、ビートの葉や根に多く含まれていますが、コリンのピンチヒッターになります。これもガンを持ったラットで延命効果を示します。手術不能のガン患者22人に、毎日大量のビートを数ヶ月間食べさせると、うち21人に改善効果が見られて、ガンが縮小しました。濃縮したビートのジュースも同様な効果がありましたが、経済的な理由で中止すると、3~4ヶ月目に再びガンの成長が始まりました。

タンパク質が欠乏しているクワシオルコール症で死亡した人の90%が、ガンにかかっていたことが解剖で確認されています。この病気は、中央アメリカ、南アフリカに広く見られていましたが、極度にタンパク質とビタミンB群が少ない食事の結果です。そして、タンパク質とビタミンB2をしっかり摂取すると、急速によくなります。

 


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