シミとボケ

高齢者の顔にシミのあることは珍しくありません。シミが長寿のしるしとされるのは、そのためでしょう。

これは、ホクロと違ってメラニン沈着ではなく「リポフスチンの沈着」です。古くなった揚げ油のびんの底のタールに似たものが皮膚にたまって、シミになったのです。

顔にシミが出る頃には、心臓の細胞にも、肝臓の細胞にも、副腎の細胞にも、そして脳の細胞にも、リポフスチンが沈着してきます。

心筋細胞内のリポフスチンの量を調べた報告がありますが、この物質は、幼年期にすでに見られ、加齢とともに直線的にその量を増加するそうです。リポフスチンが老化物質であり、老化がすでに幼年期にはじまるという厳粛な事実が、これで証明されたと見てよいでしょう。

「早老症(プロゲリア症)」という難病があります。この病気は急速に進行する老化を特徴としますが、患者の臓器を見ると、リポフスチンの顕著な沈着があります。また、早発性痴呆症患者の脳細胞には、特別大量のリポフスチンが沈着しています。シミだらけの脳は、いわばボケの真相の一面なのです。

脳の神経細胞には、情報を刻印されたものと、未使用のものとがあります。平均的に見ると、未使用の細胞は70~90%に及ぶといいますが、リポフスチンは、未使用の細胞に発見されています。頭を使うことが、脳細胞のリポフスチン沈着を防ぐというなら、話は面白くなりますが、そのあたりの現象は、まだ判っていません。

ビタミンE(d-αトコフェロール)をのみ、かつ局部に塗布することによって、シミがうすくなった例がありますが、それにも筋の通った理由があるはずです。いずれにせよ、不飽和脂肪酸の過酸化とビタミンE(d-αトコフェロール)とは、切っても切れない関係にあるのです。

ここに、一言しておかなければならないことがあります。それは、ビタミンE(d-αトコフェロール)でシミがなおったとき、ビタミンE(d-αトコフェロール)をシミ抜き薬と見てはならないということです。シミはビタミンE(d-αトコフェロール)の不足のためにできたものと考えるのが正しいです。心筋細胞のリポフスチンについても同様です。

なお、ビタミンE(d-αトコフェロール)の塗布によって「白髪」が黒くなった例もあります。

 

 


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