ストレス対策②

・ストレスに妙薬はないが

現代人、特に都市生活者において、ストレスが大きいです。解剖所見でも、都市生活者の副腎が、農村生活者のそれより大きいことが報告されています。

ストレス患者には、コルチゾンを投与するのが合理的のはずですが、これは副作用の大きいことが欠点です。そこで、精神安定剤がしばしば与えられますが、これにも問題があります。結局、ストレスに薬はない、というのが正直なところでしょう。

平均寿命の統計を見ると、女性のほうが男性より長生きするのは、世界的な傾向です。
これは、副腎機能において、女性が男性に勝るからだ、と説明する人がいます。女性は分娩の際、大きなストレッサーに出会います。これに対抗する必要上、女性の副腎は強くなっていると言うのです。坊さんにも長生きする人が多い。それは、煩悩という名のストレッサーを離脱することができるためでしょう。

ストレスに強くなることは、多くの人にとって健康維持の条件となります。そのために、信仰の道に入って、ストレッサーをはねのける他に名案がなかったとすると、俗人は助からないではないでしょうか。
神経質だと言われる人がいます。これは、神経がビリビリした人、という通俗的な解釈もできるでしょうが、ストレッサーを増幅する傾向のある人とも言えましょう。常識からすると、そのような人はやせています。これには理由があるのです。

私たちはすでに、ストレスに生体の対抗する手段が、コルチゾンを代表する副腎皮質ホルモンであることを知っています。このホルモンの作用として、タンパク質や脂肪をブドウ糖に変えるという、物騒な働きがあります。コルチゾンを服用していると、手足がやせ、顔が丸くなるなど、いわゆる「クッシング症候群」をあらわしてきます。これは、副腎皮質に腫瘍ができたりして、その機能が亢進して起こるクッシング病の症候群です。

コルチゾンによって手足がやせるのは、その筋肉や皮下脂肪が、分解してブドウ糖になった結果に他なりません。ストレスの抵抗期に血糖値の上昇があるのは、まさにそのためです。今日、都市生活者に糖尿病が増えていますが、ここにストレスが一枚かんでいる疑いは、十分でしょう(もちろん単純に糖質過多が原因の人は多いですが)。

ストレスそのものはともかく、副腎皮質ホルモンによるタンパク質の分解には、一つの対策があります。それは高タンパク食をとることです。

タンパク質が十分に補給されれば、コルチゾンは、筋肉や骨や皮下脂肪などを狙わずに、血中にあるアミノ酸やタンパク質をいけにえにするでしょう。それを怠れば、人体という構造物は、根底から揺さぶりをかけられます。神経質な人が病弱に傾くのは、慢性低タンパクのせいと考えてよいでしょう。


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