タンパク質の役割と重要性

代謝、すなわち遺伝子DNAの指令による生体内の化学反応は、すべて酵素の触媒作用によって起こります。その酵素の主要な部分、すなわち≪主酵素≫がタンパク質であることを思えば、タンパク質の重要性は、いくら強調されても強調しすぎることはありません。脳は特に代謝の旺盛な器官です。この事実は、タンパク質の不足が、脳の機能に重大な影響を与えることを示唆します。

脳の発育中の低タンパク食は、一生取り返しのつかないダメージを与えます。不幸な低開発地域の住民の知能の低さも、低タンパク食のせいとして説明することができます。

ニューロンのなかにおけるタンパク質の役割があります。神経細管はタンパク質でできています。樹状突起のなかには、おそらくタンパク質の突っかい棒があるでしょう。それは、神経細管と同じものである可能性が大きいですが、オリゴデンドログリアの突起の場合は、タンパク質ではあっても、神経細管ではないかもしれません。

ニューロン内にも、グリア細胞内にも、酵素タンパクがあります。脳内タンパクの量は、学習によって増えます。また、長期記憶によっても増えます。この総量は、乾燥状態の重量にしてほぼ40%です。それは、70歳頃までは大きな減少をみません。ただし、ボケた脳では、顕著な減少があるそうです。

食料に恵まれないのに多産な地域では、離乳が早いために、乳児が低タンパク食に追い込まれます。その結果として、毛髪の脱色・むくみ・脂肪肝・胃腸障害・湿疹・発育不良などのほか、知能障害・いらだち・無気力・無感動・運動神経不全などが起こります。これを、≪クワシオルコール≫といいます。わたしたち日本人の場合、これほど極端な低タンパク食に陥ることはないので、症状は顕著ではありません。しかし、低タンパク食の子が、無気力・無関心・注意力低下などを特徴とすることは知られています。このような傾向のある子に対しては、タンパク不足を疑ってみるのがよいです。10歳ぐらいまでの子供の脳で、タンパク質を最も大量に要求するのはオリゴデンドログリアでしょう。このグリア細胞は、重量にして自分の数倍ものミエリンを、毎日つくらなければならないからです。

なお、脳内タンパク質の半減期、すなわち半交代期は14日です。脳内タンパク質の半分は、二週間で新旧交代するのです。高タンパク食は毎日続けて初めて意味をもつのです。

 


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