ニンニクの有効成分は「アリイン」です。このアリインは、アリナーゼという名の酵素の媒介によって、「アリシン」となります。アリシンは強い酸化作用をもっており、これによってニンニクの効果をあらわします。アリシンは10万倍に薄めても、結核菌、ジフテリア菌、赤痢菌などを殺すといわれます。

ニンニク特有の臭気はアリシンのものですが、それを食べた後の体臭や口臭は、アリシン由来ではなく、それからできたアリルジスルフィド、メレカプタン、チオエーテル、硫化水素などの混合物のものです。

アリシンはチアミン、すなわちビタミンB1と結合して「アリチアミン」をつくります。ビタミンB1は水溶性ですが、アリチアミンは脂溶性であるために、大量投与しても、尿中に逃げ出しません。ニンニクの効能には、便秘、脚気、神経痛、リウマチなどに対するものがあげられていますが、それはアリチアミンによるものでしょう。

ニンニクを多食すると、赤血球破壊による貧血、胃腸障害などが起きます。ニンニク貧血という言葉もできています。このような副作用の点から、生食する場合、ニンニクの一日量は五グラムを超えてはならないとされます。

 

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