ビタミンがなければ活性不能

タンパク質とビタミンと、どちらにウェイトをおくのか、という疑問をもつ人がいるかもしれません。

結論を言えば、大量のビタミンは、大量のタンパク質の上にたっています。タンパク質は、「プロテイン」という名のとおり、第一義の栄養素で、これの無視は許されません。

血色素ヘモグロビンのペプチド鎖に結合して、酸素を捕捉する役割を負う鉄化合物ヘムというものがあります。この物質は、アミノ酸グリシンから出発して、まずデルタALAになり、次にポルホビリノーゲンになります。もちろんこのヘム合成代謝の各段階には、酵素が登場します。酵素なしには、グリシンはデルタALAになることができないのです。

ヘム合成代謝の第一段階は、グリシンからデルタALAへの変身です。ここに登場する酵素は、デルタALA合成酵素であって、これの一次構造は親譲りのDNAにちゃんと書いてあります。この酵素も、もちろんタンパク質ですから、食物としてタンパク質をとっていれば、一応はその材料が用意されています。したがって、デルタALA合成酵素ができるかできないか、を心配するのは無用に近いです。

では、デルタALA合成酵素さえあれば、グリシンは間違いなしにデルタALAになるかというと、そうではありません。ビタミンB6がなければ、ゴーサインはでないのです。

何とかして、すでにデルタALAができていたとしましょう。そして、親に教わった設計図にしたがって、ポルホビリノーゲン合成酵素もつくれたとしましょう。この酵素の役目は、二分子のデルタALAを結合させることです。ここで、間違いなしにポルホビリノーゲンがつくれるかどうかというと、そうではありません。ビタミンCがなければ、だめなのです。

第三段以下の話はややこしくなるし、同じようなことですからやめにしますが、要するに、ビタミンB6、ビタミンCがなしでは、どんな工夫や努力があっても、ヘムは絶対に合成できません。これではヘモグロビンの合成もできず、貧血ということになります。貧血の患者に鉄剤を、という話はよくありますが、鉄がいくらあっても、タンパク質がなかったらどうにもならないのです。

DNAは、確かに酵素の製法を知っています。私たちは、必要に応じて、それを利用して酵素タンパクをつくることができます。しかし、一般に、酵素タンパクは、それだけでは酵素活性をもちません。ビタミンなどと結合して、はじめて酵素活性をあらわすのです。

 


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