ビタミンの必要量も、かなりの個体差がある

分子栄養学は「個体差の栄養学」です。遺伝的な弱点は人によって千差万別ですから、どんな栄養をどれだけ摂取するべきかは人によってまちまちです。ある程度は万人に共通の部分もありますが、それ以外はケースバイケースで対応していかなければなりません。

たとえばビタミンの必要量にも、かなりの個体差があります。
AやEなどの脂溶性ビタミンで10対1、CやB1などの水溶性ビタミンでは100対1もの開きがあります。最も多く必要な人は、最も少なくて済む人の100倍のビタミンCを摂取しなければならないのです。

しかも、100対1という水溶性ビタミンの個体差は、体に何のトラブルも抱えていない健康な人々のあいだで生じるものです。
100倍の水溶性ビタミンが必要だからといって、その人が何か病気にかかっているわけではありません。病人や体の不調を感じている人の場合、さらに何倍、何十倍ものビタミンCやB1が必要になることもあります。

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