ビタミンCは何からとれるか

新鮮な果物や野菜にはビタミンCが含まれていることは確かです。だからといって、こういうものを十分に食べれば、ビタミンCの不足が起きないと考えるのは間違いです。

レモンはビタミンCを豊富に含むといわれますが、ビタミンC一日必要量二グラムを摂ろうとすれば、四キログラムのレモンを食べなければならなくなります。

その計算の基礎は何かと問われるなら、人体がビタミンCをつくるとすれば、その量は、成人で一日二グラムと推定されるからです。

事実、二、三の例外を除けば、サル以下の動物全ては、肝臓か腎臓でビタミンCを合成しています。二グラムという数字は、そこから導かれたものです。レモンで四キロといわれたら、まず、食品からビタミンCを摂るのは無理、という結論にならざるを得ません。

そんなに大量のビタミンCを摂れば結石ができる、と文句をつける人がいるかもしれません。膀胱や腎臓の結石の本質は「蓚酸カルシウム」です。そして、その蓚酸はビタミンCからできます。しかし、体内でできる蓚酸の量は、ビタミンCの摂取量とは無関係といわれます。またこれらの結石は水分摂取の不足やビタミンAの欠乏に結びつくようです。