ビタミンB12の不足で何が起きるか

血液をつくる代謝を触媒するビタミンを「造血ビタミン」といいます。
造血ビタミンといわれるものは、ビタミンB2・B6・B12・C・E、葉酸などです。ビタミンB12はこのなかに入っています。これらのどの一つが欠けても、血液はつくれなくなります。「貧血」ということです。

胃ガンになると、胃の一部を切除するのが定石です。このとき、胃壁を少し残しておかないと、「悪性貧血」になります。胃壁特有の分泌物がないと、ビタミンB12の吸収ができないからです。もし、胃壁を全部無くしてしまうと、ビタミンB12の吸収が不可能になり、血液がつくれなくなります。このような貧血が、悪性貧血と呼ばれます。ビタミンB12が不足すると、貧血が起きるばかりでなく、手足の感覚が鈍くなり、舌がただれ、口内炎が起きます。

ビタミンB12には、核酸合成を触媒する役目があります。DNAやRNAをつくる代謝にこれは不可欠なのです。それからまた、ビタミンB12はアミノ酸合成をも触媒します。

神経繊維は、ビタミンB12を蓄積しています。そのために、ビタミンB12が不足すると、いろいろな神経症状がでてきます。老人ボケの人の血中ビタミンB12の濃度は、正常値の三分の一程度に落ちているといいます。

ビタミンB群が植物由来のものであることはよく知られていますが、B12はコンフリー以外の植物にはありません。