ビタミンDの働きは?

ビタミン過剰症という概念がありますが、これが確実に存在するのは、ビタミンDの場合です。

なぜそうかといえば、ビタミンDの本質が、栄養物質というよりは、むしろホルモンであるからです。

ビタミンDには、D1・D2・D3の三種があるとされてきました。しかし、D1は不純物とわかって、D2・D3のみが残ったのです。

ビタミンD2は「エルゴカルシフェロール」とよばれ、食品に含まれています。ビタミンD3は「コレカルシフェロール」とよばれ、食品に含まれてもいますが、紫外線照射のもとにおいて、皮膚でコレステロールから合成されます。ビタミンD2・D3は、まず肝臓で変化をうけ、次に、腎臓で変化をうけ、ついにホルモン性物質「ジヒドロキシコレカルシフェロール」になるのです。

すべてのホルモンがそうであるように、ジヒドロキシコレカルシフェロールも、生体の要求に応じて合成されるものなので、原料であるビタミンD2・D3にも適量というものがあります。ビタミンD3にしてからが、必要量だけが合成される、と考えてよいです。

このホルモンが不足すると、カルシウムやリンの吸収が悪くなり、クル病や骨軟化症が起こります。