フタル酸エステル

プラスチック、とくに塩化ビニールの可塑剤として広く用いられるフタル酸エステルは、第二のPCBとよばれて問題になってきました。この物質は、塩ビ製品から少しずつ水にとけだし、容器に入れた食品から水田までを汚染しています。

かつて、カシンベック病の原因物質追究のため、多摩川の水を分析していた報告があります。それによると、この水に不審な物質をみつけ、ついにそれがフタル酸エステルであることを確認しました。その濃度は350ppmもあったといいます。この物質の毒作用を発見したのは、ベトナム戦争中のアメリカ軍です。負傷者に輸血するための器具を、^_^ガラスからプラスチックに切り換えたところ、患者に重大な呼吸困難があらわれたことから、それが表面化したのでした。この症状の原因は、肺静脈の梗塞です。デンマークでは、人工腎臓を接続した患者に、吐き気や頭痛のあらわれる事実から、これが問題になりました。ロシアでは多発性神経炎や知覚麻痺を報告し、アメリカでは催奇性を報告しています。フタル酸エステルも、やはり発ガン物質のリストにはいるでしょう。

フタル酸エステルは、プラスチックに柔軟性、加工性を与えるための決め手とされ、塩化ビニールには重量比30〜60%が添加されています。そればかりではありません。ガム、接着剤、ラッカーからビニールシートやセロハンにまで利用されているのです。大気中に存在するフタル酸エステルの量は、PCBを抜き、一立方メートルにつき0.48〜6マイクログラムに及ぶと、愛媛大の報告があります。

市販の食品では、食卓塩に7.2ppm、マーガリンに3.12ppm、マヨネーズに1.23ppm、漬け物に0.37ppmのフタル酸エステルが含まれていたと、静岡大が過去に報告しています。

 


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