ホメオスタシスと自律神経

飛行機が、気流などの影響下に高度を一定に保ちながら飛行を続けるためには、上げ舵と下げ舵との適切な操作がなければなりません。ホメオスタシスのためにも、同じことがいえます。

ホメオスタシスに関わる神経系は自律神経系ですが、そこで、上げ舵に相当するのは≪交感神経系≫、下げ舵に相当するのは≪副交感神経系≫です。交感神経系は、全身の活動レベルを高め、副交感神経系は、全身の機能を抑制します。このシステムに対して、自律神経系という名称が与えられているのですが、これを≪自動制御神経≫と言いかえたほうがわかりやすい気がします。

神経系はニューロンのシステムです。ニューロンとなれば、神経伝達物質の放出が、その活動の実体ですが、これは、交感神経では≪ノルアドレナリン≫、副交感神経では≪アセチルコリン≫です。

シナプス前膜から放出されたアセチルコリンは、シナプス後膜のところで、≪コリンエステラーぜ≫という酵素によって分解し、コリンと酢酸になります。コリンはビタミンB群の一つであって、容易にまたアセチルコリンにもどって再利用されます。

一方、ノルアドレナリンは、いったん放出されると、一部はシナプス小胞にもどりますが、アセチルコリンとちがって分解しないために、一部は血液に吸収されるので、全身に影響を与えます。ホメオスタシスを提唱したキャノンは、ノルアドレナリンをさして、哺乳類にとって最も重要なホルモンである、といいましたが、それは的外れではありません。

読書をしよう、スポーツをしよう、などと思い立つとき、全身の交感神経が活動をはじめます。すると、ノルアドレナリンが全身を巡って、皮膚や内臓の細小動脈から毛細血管にいたるまでの血管が収縮します。そのために血圧が上がり、血液は、脳や心臓や骨格筋などに集中します。血糖値が上がって、エネルギー源であるブドウ糖を、脳や筋肉に供給しはじめます。緊張のあまり、顔が青くなり、心臓がドキドキする理由は、交感神経の興奮として説明がつくのです。

自律神経の中枢は視床にあります。交感神経は、視床から脊髄にのびており、それが方々でニューロンの束となって体腔に出て行きます。それが、一応、≪内臓神経節≫とよばれるところに集結し、それから、肝臓・腎臓・胃などに分布する形をとります。神経節とは、シナプスの集合体を意味する言葉です。

副交感神経は、延髄から体腔に出て、≪迷走神経≫となり、やはり内臓神経節に集結してから、各臓器にのびています。ただし、≪骨盤神経≫だけは、延髄ではなく、仙髄から大腸などにのびています。

 

 


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