人間がビタミンCを自前でつくれるなら

現実に私たちにとって最大の問題は、もし自前でビタミンCの生合成を行なっていたとしたら、その量はどれほどか、ということです。なぜならばそれは、私たちが意識的に摂取しなければならないビタミンCの量に他ならないからです。とはいっても、私たちが、この量を知ることは困難です。

自前でビタミンCを合成する動物で調べた数字を頼りに、推察するほかに、方法はないでしょう。ただし、変温動物においてはストレッサーが少なく、ビタミンCの要求量も少ないので、これを参考にはできない。やはり、哺乳動物をもってこなければいけないのです。

ネアンデルタール人の骨格の調査の結論として、この仲間の原人は、直立した姿勢をとることなく、膝を曲げて足を引きずり、よたよた歩きをしていた、という推測がくだされたことがあります。やがて研究が進むと、この骨格の持ち主は、重い関節炎を患った老人だとわかりました。当時のヨーロッパは氷河時代に入り、ビタミンCを豊富に含む新鮮な獣肉の入手が困難になったことからくる病気のせい、と説明されています。

原人の手足の骨には、ビタミンCの欠乏が刻み込まれているそうです。

エスキモーとは、「生肉を食う」という意味の言葉であって、彼らは文字通り生肉を食べていますが、北グリーンランドのエスキモーの平均寿命が25歳でしかないのは、ビタミンCの不足による、と考えられています。

そこで、参考にすべき下等動物のデータをあげてみましょう。もっとも、正確な研究はラットを対象としたもののみで、大型哺乳類には全く手がついていません。ラットの肝臓が一日に合成するビタミンCの量を、体重60kgの成人の場合に換算すると、1.7~3.4gとなります。これだけのビタミンCをとっていれば、ストレッサーがゼロに近いときなら、血中ビタミンC濃度は正常に保たれます。この数字は、ストレスによって跳ね上がります。

アメリカの動物栄養委員会の報告データによれば、サルの場合、ビタミンCの一日必要量は体重1kgあたり55mgです。体重60kgの成人の場合に換算すれば、これは3.3gとなります。また、モルモットの場合は体重1kgあたり42~167mgです。体重60kgの成人にこれを適用すると、2.5~10gとなります。
人間がもし自前でビタミンCをつくるとしたら、その一日量は2~20g、ということでしょう。

 


逗子.葉山.鎌倉.横須賀.藤沢.横浜地域で整体&マシンピラティスなら
整体院&ピラティススタジオ【Reformer逗子院】
神奈川県逗子市逗子3-2-24 矢部ビル2階
☎︎
050-5884-7793