低タンパク食はやる気をなくす

≪意欲≫の定義は簡単ではありません。しかしここでは、それを狭義に捉えることとし、成就・親和・支配・遊戯など、社会的なものに限定しておきます。これはその人自身が、発達と呼ばれる過程のなかで習得したものであって、自己の表現、もしくは形成の方向上のものです。

意欲とは、平たく言えば「やる気」のことです。そして、やる気があるということは、頭が冴えている状態、覚醒している状態といってよいでしょう。そこで、脳の覚醒物質が、意欲のもとである、ということができます。

視床下部から放出されるホルモンとして、≪甲状腺刺激ホルモン放出ホルモン≫(TRH)があります。このホルモンは、血中に入って脳下垂体まで行き、その前葉から甲状腺刺激ホルモンを放出させるだけが、その作用かと思われていましたが、事実は、それ自身として、覚醒物質であることが発見されました。それは意欲のもとであったのです。しかもなおそれは、≪成長ホルモン≫やプロラクチンなど≪脳下垂体前葉ホルモン≫のいくつかを放出させる作用をもっていたのです。

TRHの覚醒作用はなかなか強く、催眠剤や精神安定剤など、脳の活動を抑制する薬剤の作用を阻害します。

TRHの分布を見ると、大脳辺縁系をはじめとして、皮膚や脳幹にも、また消化管にも存在します。そこで、胃腸の調子までが、やる気を支配していることを知るのです。

TRHの放出は、甲状腺ホルモンの分泌を促進する目的で行われるはずです。ということは、視床下部に流れて行く血中の、甲状腺ホルモン濃度の低下にフィードバックして、TRHが放出されるということです。したがって、≪甲状腺機能亢進症≫のある人では、TRHの視床下部における放出が不十分なために、やる気が起きないことになるでしょう。このようなとき、消化管におけるTRHの放出が、脳を覚醒させて、やる気を補うことになるのかもしれません。

なお、TRHはペプチドホルモンです。したがって、これのスムーズな放出のためには、タンパク質の十分な摂取が必要条件になるでしょう。

もう一つの覚醒物質はACTH(副腎皮質刺激ホルモン)です。この脳下垂体前葉ホルモンは、副腎皮質ホルモンを分泌させるばかりでなく、脳を覚醒させ、また記憶力を強め、注意力を高め、動機付けをします。

ACTHは、ストレスに伴ってつくられるはずです。とするならば、ストレスがあったほうが、覚醒レベルが高まり、やる気が起こるということになります。ACTHもまた、ペプチドホルモンです。低タンパク食では、やる気も起きないということです。

 


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