体重1kgあたり1g

スポーツマンがステーキを重視する理由は何でしょうか?スポーツマンの体内で、アミノ酸の分解が特に激しいとでもいうのでしょうか?

スポーツマンは常人より余計に骨格筋や心筋を酷使します。これらの筋肉は、いうまでもなくタンパク質の存在様式の一つです。そのタンパク質分子は、常に崩壊し、そして再構築されます。

再構築に際しては、新しいアミノ酸が要求されますが、これが不足であれば、再構築された筋肉は、もとのものより細く弱くならざるを得ません。タンパク質の補給が不十分な状態でトレーニングを行えば、成績が努力と逆行して落ちるという、悪循環が始まります。筋肉の酷使は、その崩壊を促進するのです。

一般に、臓器の組織が、崩壊と再構築とによって更新される速さについて半交代期という概念が設定されています。これは、組織の半分が更新される時間であって、筋肉の場合、その値は16〜180日とされています。更新の盛んな部分では、16日で半分が新しくなるということです。スポーツ・運動はこれを短縮します。

半交代期の数値は臓器ごとに異なりますが、いずれにしても、これが、私たちが一日に摂取しなければならないアミノ酸の量、したがってタンパク質の量と深く関わっています。

正常な成人の場合、タンパク質の一日必要量は、体重1kgあたり1gとしてよいでしょう。しかし、筋力・体力の増強を望むのであれば、この値は30〜50%増となります。体重70kgの人の場合、タンパク質の一日必要量は100g前後になるでしょう。

これをまさかステーキ一枚で摂ろうと思う人はいないでしょうが、仮にそのような贅沢をしようとすると、600g前後になります。タンパク質10gを摂るために必要な牛肉の量は65gにのぼるからです。牛肉のタンパク質含有量は19%です。しかし、含硫アミノ酸の比率が低いために、そのタンパク質の利用率は80%しかありません。600gという驚異的な数字が出るのは、その低い利用率(プロテインスコア)のせいです。

予算の関係か何かでステーキが200gしか食べられなかったとすると、牛肉400g分のタンパク質を何かで補わなければならなくなります。これは60gのタンパク質に相当します。

参考までにタンパク質10gを摂るために必要な量をお示しすると、ごはん(米飯)では650g、食パンでは280g、うどんでは690g、そばでは360g、じゃがいも1100g、イワシ,サケ,アジで60g、サンマ,カジキでは50g、豆腐では330g、卵では80g、牛乳では470g、チーズでは50gとなります。

これで補給計画を立てることです。

米のごはんでいこうとすれば、30杯ぐらいになりますから、おかずで何とかしなければならなくなります。

この計算を面倒くさがっていては、スポーツマンの現代的資格が問われるでしょう。


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