医学研究、栄養研究への企業の関与

インパクトファクターの高い7つの医学雑誌(『NEJM』『ランセット』『JAMA』『BMJ』『アナルズ・オブ・インターナル・メディスン』『JAMAインターナル・メディスン』『PLoSメディスン』)に載ったワクチン、薬剤、および医療機器の治験の第Ⅲ相・第Ⅳ相臨床試験である200の試験を分析してみると、大きな問題点が浮かび上がりました。第Ⅲ相試験とは、それまでに得られた有効性や安全性を多くの患者によって確認する試験で、第Ⅳ相試験とは、市販後に行われ、有効性や安全性に関わるさらなる情報の収集を目的とした試験です。

200試験中173試験(87%)は、資金提供企業の社員が論文の共著者であり、試験デザインには173試験(87%)で企業が関与していました。データ解析には、146試験(73%)で企業の関与があり、大学などの学術機関の著者の関与はたった79試験(40%)でした。そして、多くのデータ分析では誰が分析したのか非常に曖昧な記述になっていたのです。

研究が全ての段階において学術機関の著者のみによって実施されたのはたった8試験(4%)のみでした。

さらに、筆頭著者にアンケートを取り、80人から回答が得られましたが、29人(36%)だけが、学術機関の研究者が研究のデザインについて最終的な発言をしたと報告されました。しかも、実際に出版された論文には、企業の関与を記載していないことも少なくありません。27人(34%)は企業に論文を書く援助を受けたと回答し、5人(6%)はその論文が、公表された論文の共同執筆者であったり名前が記載されている者でもない、企業の従業員によって作成されたと回答しました。実際に最終的に誰が論文を書いたのかわからないという人も1人いました。

また、10人(13%)が、名前を隠した企業の従業員がデータ分析や報告に関与していると報告し、さらに7人(9%)が、研究のデザイン、データ分析、または報告に、出版された論文に報告されていない企業の従業員の関与を認めていました。

たしかに、医学や栄養に関する研究をするには、膨大な資金が必要になることも多いです。そのお金は企業から提供されることが非常に多い。そうなると、スポンサーの企業にとって有利な研究結果が出やすくなることは十分に考えられます。

実際に企業から資金が出ている場合と出ていない場合とを比較すると、企業から資金が出ている場合は3.6倍も、その企業の経済的利益に有利な結果を示す可能性が高いことがわかりました。栄養に関する研究では、スポンサー企業の経済的利益に有利な結果を示す可能性がおよそ4〜8倍高かったのです。


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