医師と製薬会社の癒着

医師が何かにつけて薬を処方する一因は、多額の報酬が絡んだ製薬会社との癒着です。

製薬会社は医師一人ひとりに投資し、自社製品を使ってもらうために努力しています。
製薬会社が派遣するMR(医薬情報担当者)――といっても実際にやっていることは営業マンと同じですが、彼らは莫大な利益を得るために医師と友好関係を結び、販促活動の一環として接待はもとより、使い走りから御用聞き、薬の無料サンプルの配布まで精力的に働いています。

残念なことに、医師が薬の使用や乱用について製薬会社から入手する情報は、営業マンや医学雑誌の広告から得たものがほとんどです。
ですが、臨床試験の報告書は製薬会社が医師に委託研究費を払って作成してもらったものですから、信憑性はほとんどありません。

4人のノーベル賞受賞者を含む著名な科学者で構成された委員会が、薬に関する問題を話し合った結果、諸悪の根源は医師がずさんな臨床試験をしていることだと結論づけています。

FDAは、臨床試験に携わっている医師を無作為に抽出し、その仕事ぶりを調べる抜き打ち検査を行ないました。その結果が「アメリカ医師会雑誌」に報告されています。要点を紹介しましょう。

全体の約2割が不正確な分量を使ったりデータを改変したりするなど、さまざまな不正行為を行なっている。
・全体の約3分の1が臨床試験を行なっていない。
・約3分の1がデータを捏造している。
・臨床試験のデータに科学性が認められるものは、全体のわずか3分の1である。

医師と製薬会社の癒着が、腐敗と薬害の温床になっていることは明らかです。
しかし、製薬会社とその営業マン、政府の監視機構、さらには薬をせがむ患者に非があるとは思いません。
問題の大半は医師にあるからです。

医師は医薬品に関する情報を入手できる立場にあり、臨床試験で重大な副作用が判明すれば慎重投与を心がける義務があるにもかかわらず、薬を無節操に処方しています。医師はつねに患者より心理的に優位な立場で服薬の指示をしているのです。

製薬会社は営利企業ですから、その目的は利益の追求です。自社製品をできるだけ高い値段でたくさん売ろうとするのは当然です。
製薬会社が臨床試験・認可・流通の過程でずさんなことをする傾向があるのは事実ですが、薬を市場に出す段階で、副作用と禁忌に関する情報をそれとなくですが医師に通達しています。

薬の副作用と禁忌に関する情報を患者に開示することを求められても、製薬会社は反対する必要がありません。医師会がすでに反対しているからです。医師は「患者との信頼関係が崩れてはいけない」という理由で、患者に副作用をかなり控えめな表現で伝えるか完全に隠しとおしています。

医師は「患者に薬についていちいち説明していたら、いくら時間があっても足りない」とか「患者が副作用を知ってしまったら、薬を飲まなくなる」と言います。

つまり、医師が守っているのは患者ではなく患者との信頼関係なのです。しかもその信頼関係は、医師が患者に真実を知らせないことによって成立しています。

したがって、医師と患者の関係は、患者の「盲信」に依存していることになります。


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