家庭内暴力・登校拒否

子が親に乱暴する、いわゆる家庭内暴力は、ニュースで取り上げられることもある大きな問題です。暴力・非暴力の別は、刺激-反応系のパターンで決まります。

このパターン形成においての主役は、大脳新皮質よりはむしろ大脳辺縁系です。したがって、暴力をたやすく発動するような刺激-反応系は、多分に遺伝的、親ゆずり的です。

しかし、新皮質が、辺縁系から出てくる自己運動に対してコントロールシステムとして機能することを考えるなら、子供の新皮質の発達を誘導することが、家庭内暴力を抑止するために、周囲が払うべき努力、ということになるでしょう。

以前述べた猫の実験から考えると、暴力行為を裏付けるものが、ノルアドレナリンである可能性は大きいです。この神経ホルモンが、交感神経の緊張に伴って放出されることを考えると、その家庭は、遺伝的に、交感神経緊張型であるかもしれません。あるいはまた、ノルアドレナリンをアドレナリンに変える代謝の停滞しやすい体質であるのかもしれません。

学校には、校内暴力問題もあり、登校拒否問題もあります。東京女子医大のチームは登校拒否者の血液を調べて、神経伝達物質エンドルフィンの濃度が健常者より高く、かつその日中変動のパターンが全く違うことを発見しています。ところが、ビタミンB群の大量投与によって、登校拒否がたちまち解消した例があります。

ここにあげたような、好ましくない深刻な現象が栄養状態の改善によって、意外に容易に解決する場合があり得ることは確信できます。

交感神経の緊張も、ノルアドレナリンからアドレナリンへの代謝も、エンドルフィンの産生もすべては物質過程なのですから、物質上の配慮、すなわち栄養上の配慮によって、片付く問題の多いことは十分に推察できるのです。

ただしここに、一つの問題が残ります。それは、大脳辺縁系の活動形式が親ゆずりだといっても、それは、遺伝子の問題、DNAの問題ではなく、親の模倣ではないのか、ということです。その意味で、夫が子の前で、妻をなぐるというような家庭内暴力をふるってはならない、という教訓が導かれます。妻をなぐりたいとき、それを抑制するのは、大脳新皮質によるコントロールです。親は、そのコントロールシステムを子に見せるのがよいです。

マスメディアによれば、子が親に暴力をふるう人数の割合は、五人に一人ほどもあるのだとか。そしてまた、子が親に暴力をふるいたくなる人数の割合は、ほぼ二人に一人であるといいます。そうすると、約30%の子供において、コントロールシステムが機能していることになります。

 


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