性周期とビタミンE

小麦胚芽油を摂ると、生理痛はおさまりますが、生理が早くなるという人が少なくありません。これについて、一応の説明を試みたいと思います。

まず、女性の性周期は、卵胞ホルモン、黄体ホルモンの二種のホルモンのにぎるところです。
性周期を遅らせるための薬剤として、合成黄体ホルモンがありますが、この事実から推察できるように、黄体ホルモンには、性周期延長の作用があります。黄体ホルモンが不足すると、子宮内膜の維持が不可能となり、出血とともにそれは脱落しなければならなくなるのです。

ところで、黄体ホルモンの製造工場は黄体です。そして、黄体のもとは卵胞です。卵胞は、その内部に卵子を抱えてそれを発育させるのが役目のものです。卵胞は卵胞をつくり、子宮内膜を肥厚させ、そこに血管網を発達させて、卵子を育てるのです。卵胞ホルモンの分泌を促す卵胞刺激ホルモンは、脳下垂体前葉からでてきます。

この卵胞刺激ホルモンの分泌は、ほぼ二週間継続し、そのために卵胞ホルモンはその期間中増え続けます。したがって、しまいにこれは卵胞からあふれだします。

あふれた卵胞ホルモンは間脳まで流れていって、これを刺激します。すると間脳は脳下垂体前葉に働きかけて卵胞刺激ホルモンの分泌をとめ、かわりに黄体化ホルモンをつくることを命令します。このホルモンの働きによって、卵胞は黄体に変化するのです。

このような過程をのみこんだうえで、ビタミンE(d-αトコフェロール)による性周期の短縮を考えると、d-αトコフェロールには、脳下垂体の活動を高める作用があるのではないかと、結論せざるを得なくなります。そういうことであれば、卵胞刺激ホルモンの分泌が多く、細胞ホルモンの間脳への働きかけが早まり、結局は、黄体化も早くなるから、性周期も短くなるということでしょう。

性周期というものは個体差があるとはいえ、それぞれに一定する性質のものです。それがd-αトコフェロール不足の状態で安定していたところに、これを十分与えられたために、性周期の短縮が起きたものでしょう。富ビタミンE状態が固定すれば、性周期は元に戻り、生殖腺の活動は高いレベルに移行します。

自然食主義者、とくに玄米食主義者にいわせると、玄米のメリットとしてビタミンEの存在が大きいです。米胚芽のビタミンEはエータトコフェロールです。抗不妊作用、つまり脳下垂体前葉に対する作用において、エータトコフェロールはアルファトコフェロールの100分の1以下でしかありません。この点を見逃しては片手落ちでしょう。

リノール酸・アラキドン酸などの必須脂肪酸欠乏は、成長阻害ならびに不妊につながるという説があります。リノール酸がビタミンFともよばれるようになった理由は、このあたりにあります。不妊に悩む人にとって、これも一つの価値ある情報でしょう。

 

 


整体院&ピラティススタジオ【Reformer逗子院】
神奈川県逗子市逗子3-2-24 矢部ビル2階
☎︎
050-5884-7793