横坐りや脚組みの害

横坐りをしている女性をよく見かけます。 脚を組んでいる人も多いですね。

横坐りは 「お姉さん坐り」 などとも言われますね。呼び方からすると行儀良く聞こえますが、身体にとっては決してよい座り方ではありません。

横坐りをしてみるとわかりますが、骨盤が左右で違ってきます。 長期間続けるとどうなるでしょうか。大抵の人は同じ側で横坐りしますから、骨盤が歪んできて、そのゆがみが固定されます。つまり、同じ側でしか横坐りできなくなる。 そうなったら、骨盤はかなり歪んでいることになります。

骨盤が歪むとどうなるか。様々な問題の生じる可能性があります。ちょっとなら大丈夫だろう、 などと軽く考えて見過ごせることではなく、場合によっては重大な症状を引き起こすかもしれません。

たとえば、過敏性腸症候群。最近こう診断される方が増えているそうです。

その原因の一つが骨盤の歪みにあるだろうと考えています。つまり、しっかりと正坐せず、 横坐りをする人が増えているということが原因の一つになっているのではないでしょうか。

横坐りしている人の骨盤がどうなっているか考えてみましょう。その多くは、 左側に足先を出して右側に膝がくるように坐っています。すると、股関節・ひざ・ 足首の3点が左右で違った形に固定されることになります。

このような坐り方を続けていると、骨盤にも左右で違った力がかかり続けますから、骨盤の歪みを生じます。 具体的にいうと、右側の腸骨が開き、左側の腸骨が閉じる形で固定されることになります。 仙骨と腸骨のあいだにある仙腸関節の開きが左右で違ったまま固定される形ですね。

左右の差が生じるだけでなく右の腸骨が前に出てきます。つまり骨盤全体がねじれてくることになる。 このねじれが重大な結果を生じる可能性があります。決して無視できない結果を生むかもしれません。

座席で脚を組むのも考えものです。右脚を左脚の上に載せて坐る人が多いと思います。 この坐り方をすると、どうなるでしょうか。逆に組み替えても問題は変わりません。

これも横坐りと同じ結果の生じる可能性があります。右脚を上に載せると骨盤の右側が前に出てきますから、 やはり骨盤全体がだんだんねじれてきます。骨盤の右と左が左右対称ではなく、前後にねじれた形になるわけです。 つまり、右は前に出て、左はひっこんでいるというアンバランスな姿になります。するとどうなるでしょうか。 いうまでもなく、背骨がねじれてきます。つまり腰痛の原因になるかもしれませんし、 側弯の原因にもなります。

そんなことよりも、坐った時の見た目を重視するというのなら、それは個人の自由です。

でも、痛くなったり、背中が歪んだりするのを、本当に望んでいますか。 結局は全体の見た目だって悪くなるのですから、そんなことは望んでいませんね。

左右の歪みがあるかどうか、自分で調べようとすれば、仰向けに寝てみることです。 左右の足首の開く角度が違う人、これはかなり歪みの大きくなった人と考えていいでしょう。
特にひどいのは、 片足が内側を向き、もう片方の足が外側を向いているという人です。 こんなふうになっている人の足を元に戻すのは簡単ではありません。

骨盤がねじれることが直接の原因で生じる症状に、どんなものが考えられるでしょうか。
腰痛、便秘・下痢など消化器の不調、子宮筋腫など生殖器の障害、その他。
このような症状に見舞われたくない人は、 いますぐ横坐り・脚組みを廃止しましょう。