生化学的ストレス

理論はともかく、動物を使う発ガン実験で、興味ある事実が発見されています。ラット、マウスなど、体内でビタミンCを合成する動物の場合、発ガン物質を投与されると、肝臓は異常に大量のビタミンCの産生を開始します。これに反して、体内でビタミンCを合成する能力をもたないモルモットでは、発ガン物質を投与すると、血中ビタミンC濃度が異常に低下します。この現象は、発ガン物質が強い生化学的ストレッサーであることによる、と説明されています。ストレッサーとは、ストレスを起こす要因を指す言葉です。

一般にストレッサーといえば、心労、疼痛、酷暑、酷寒、飢餓などがあげられますが、このような、神経系に働いて意識されるストレッサーのほかに、意識されないで体内に発生するストレッサーがあります。これは、生化学反応に起因するもので、生化学的ストレッサーと呼ばれます。発ガン物質も、放射線照射も、抗ガン剤も生化学的ストレッサーに属します。ストレッサーがストレスを起こすと、タンパク質とビタミンCとの一大浪費を引き起こします。ストレスがあると、これに対抗すべく、副腎皮質は大量のホルモンを産生します。この代謝がビタミンCを要求するのであり、このホルモンが血清タンパク、組織タンパクを分解するのです。

発ガン物質を与えられたラットやマウスにおいて、ビタミンCの合成が亢進し、モルモットにおいて、血中ビタミンC濃度が低下したのは、ストレスの当然の帰結として説明されるのです。
そして、わたしたち人間は、ビタミンC合成不能の点で、モルモットの場合と同じです。

 


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