痛風に薬は必要ない

高尿酸血症、という成人病があります。耳慣れない病名ですが、痛風といえば誰でも知っているでしょう。正確に言えば、痛風とは高尿酸血症によって生じる発作のことです。この発作が起きると、足の親指、足首、膝の関節などに激痛が走ります。

昔は美食家がなる「贅沢病」などと言われた痛風ですが、最近はすっかり大衆化してしまいました。それだけ日本人の生活水準が上がったということでしょうが、それによって病気が増えてしまったのでは、喜んでばかりはいられません。

その名のとおり、この病気にかかった患者は血液中の尿酸の濃度が高まっています。そこで医師が行う治療法は、毎度お決まりのパターンです。血液検査で尿酸値が高いと判断されれば、とにかくその値を下げる薬を与えます。ですが、これはきわめて安易な発想でしかありません。

たしかに痛風の患者は尿酸値が高いです。しかし、尿酸値が高い人がすべて痛風になるわけでもありません。尿酸値の高さは、痛風の必要条件であって、十分条件ではないのです。にもかかわらず、医師は尿酸値の高い人に対して一律に薬を与えます。そのため、放っておいても痛風にならない人まで、尿酸値を下げさせられています。

尿酸が人体に害を与えるのなら、それでもよいでしょう。しかし尿酸そのものは、けっして有害な物質ではありません。むしろ血中では活性酸素除去物質として働く大切な物質です。その尿酸を必要以上に減らしてしまったら、逆に健康を損ないかねません。

では、尿酸値が高くても痛風にならない人がいるのはなぜでしょうか。痛風が起こる仕組みを知れば、その答えは自ずとわかることです。

血中の尿酸値が高くなると、尿酸がナトリウムと結合して針状の結晶になります。これが周囲の組織を傷つけて、その部分が炎症を起こすのです。逆に言えば、この針状結晶ができなければ、尿酸値が高くても、痛風にはならないことになります。
そこでカギを握っているのが、糖タンパク(糖とタンパク質の複合体)です。近くに糖タンパクがあると、尿酸はそちらと結合します。そのためナトリウムとは結晶化せず、痛風にはならないのです。

であれば、痛風の予防策は尿酸値を下げることではありません。尿酸値はそのままでも、体内で十分に糖タンパクを作れるようにしてやればいいわけです。
そこで必要なのは、まずタンパク質。さらに、糖を作るためにはビタミンAが欠かせません。この二つを摂取することで、痛風は自力で克服できるのです。

尿酸値が高くなる人には、体内で尿酸を過剰に作ってしまうタイプと、余った尿酸を腎臓から排泄できないタイプとがあります。いずれにしても一時的なものではなく、体質的な問題です。
したがって、薬で尿酸値を下げても根本的な解決にはなりません。

いつまでも薬の世話になりたくなかったら、体が持っている本来の機能を活かすような栄養素を摂取する以外にないのです。

 


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