眠りとホルモンの関係

≪脳波≫と呼ばれる電位変化があります。その波形は色々ですが、覚醒時と睡眠時では大きく違いますし、覚醒状態のなかでも、また睡眠状態のなかでも、色々に変化します。脳波は、電位の変化の波であって、無数のシナプスの電位変化の総和といえるでしょう。てんかんや腫瘍など、脳に異常があるとき、脳波にも異常がみられるために、これは、診断の一助になります。

眠りに伴う脳波の変化ですが、まず、睡眠の第一段階は、うとうと眠りです。このとき、脳波は、急に振幅が大きく、周波数が小さい。

第二段階は、やや深い眠りです。このとき、脳波は、とがった三角の波に小刻みな紡錘波が続き、ゆったりした徐波をまじえます。眠りが深まるにつれて、徐波が増えますが、その振幅は大きく、周波数は小さい。

第三段階は、さらに深い眠りです。徐波が中心ですが、紡錘波をまじえます。いびきをかくのは、この段階です。座って居眠りをしていれば、姿勢がくずれます。

第四段階は、最も深い眠りです。脳波は、大きな徐波が連続した形になります。このときは、いわゆる前後不覚の状態です。

第五段階は、≪レム睡眠≫です。このとき、眼球がせわしく左右に動いています。レムは、ラピッド・アイ・ムーブメントの頭文字R、E、Mをとったものです。

レム睡眠に対して、第四段階までの眠りを≪ノンレム睡眠≫または≪オーソ睡眠≫といいます。レム睡眠の脳波は、覚醒時、とくに閉眼安静時のものにいちばんよく似ています。このとき、脳は目覚め、肉体が眠る、といわれます。ノンレム睡眠では、脳が眠り、肉体は目覚めている、といわれます。

眠りはホルモンによって誘発されます。ノンレム睡眠はセロトニンにより、レム睡眠への移行はノルアドレナリンによります。なお、誘眠にはプロスタグランジンG2も関わるといわれています。レム睡眠の維持には、おそらくアセチルコリンが関係しています。

覚醒状態というものは、痛み・運動・位置などの情報が、網様体という部分を介して大脳皮質全域に中継されることによってつくられます。この情報はインパルスの形で伝えられるわけですが、そのインパルスが、セロトニンの作用で変形し、大脳皮質に伝達されなくなれば、うとうと眠りがはじまります。

わたしたちは、マイナス物質としてギャバを知っています。この神経伝達物質は、睡眠中につくられます。また、成長ホルモンは、最初のノンレム睡眠中に多くつくられ、副腎皮質ホルモンのコルチゾンは、最後の睡眠中に多くつくられます。徹夜という行為は、学習の面でも、健康管理の面でも、重大なデメリットをもっています。

どこの国でも、夕食の膳がいちばん豊かですが、少なくとも成長ホルモン合成のために、これは合理的といえます。夕食にご馳走を食べる習慣は、自ずから発した知恵といってよいです。成長ホルモンは、成長のためばかりでなく、潰瘍など色々な損傷の修復に不可欠なものです。

正常な睡眠の型では、ノンレム睡眠が77%、レム睡眠が23%、この二つの睡眠の一セットが一時間半前後ということになっています。

 

 


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