胆石はとけるか

胃けいれんは痛みの王様です。ところがこれは、胃の病気ではなく、胆嚢の病気です。胃痙攣という病名は錯覚の産物なのです。

胃痙攣、つまり胆嚢炎が起きるのは、胆嚢に細菌が侵入したときです。胆嚢には、砂粒ほどの小さな石や、ニワトリの卵ほどの大きな石がたまることがあります。それを胆石といいますが、それが、一個のこともあり数千個のこともあります。胆嚢炎を起こした胆嚢には、たいてい胆石が見つかります。

肝臓は胆汁をつくって胆管から胆嚢に送り出します。胆嚢にたまった胆汁は、必要に応じて総胆管から十二指腸に出ていきます。胆嚢は胆汁をためるためのタンクといえましょう。

十二指腸のあたりは、本来ならば腸内細菌のすみかではありません。しかし便秘が続くと細菌がここまで上がってきて総胆管から胆嚢に潜り込むことがあるのです。おそらく、胆石がつくった傷に細菌が取り付いた時、炎症が起こるのでしょう。

胆石の正体は、大抵はコレステロールですが、回虫感染によるものはビリルビンの石です。これらの石が、カルシウムの殻をかぶっていることもあります。

胆石のコレステロールは胆汁に含まれていたものが析出したと考えることができます。胆汁中には、血液中とほぼ同濃度のコレステロールがあるのです。胆嚢にたまった胆汁には胆汁酸やレシチンが含まれています。この二つが十分にあれば、コレステロールが石になることはありません。

胆石もちの人の胆汁中のレシチンの量は、胆石もちでない人のそれの三分の一、というデータがあります。犬の胆汁を取り出して、その中に胆石を入れると、とけてしまいます。

レシチンはリン脂質の一つで、重要な物質として知られていましたが、そのレシチンに、胆石を予防する働きがある、とみることができます。これで胆石がとける可能性も否定できません。

胆石をとかす薬があります。これは胆汁に含まれる胆汁酸の30〜40%を占めるケノデオキシコール酸か、腸内細菌の働きで変化したウルソデオキシコール酸を主剤とする薬です。

ウルソデオキシコール酸は熊の胆汁に含まれています。犬や熊には胆石はできません。

 

 


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