脳細胞の脱落は30才から

ボケた頭は老人の独占といってよいですが、そうかといって、老年期の直前まで若い時の頭があると思っては間違いです。脳の重さは25歳までは増えますが、30歳あたりを過ぎると、次第に軽くなります。脳細胞が干からびてくるのです。

化学の実験では、よく試験管に液体を入れて、そこに別の液体をついだり、気体をとおしたりします。粉末を混ぜて反応を起こすことなど、まずありません。これと同様、細胞内の代謝も、水が少ないとにぶります。中年時代からこの状態が始まるでしょう。

筋肉は、年をとるにつれて細くなる傾向があります。筋肉は、日常要求される力に耐えれば十分なわけですから、大きな力を出さずにいれば、細くなるのが当然です。

これと同じ現象が、脳にも起きています。

血液循環の経済のためにも、材料の経済のためにも、使うあてのない脳細胞は、切り捨てるのが得策です。この見極めをつけるのは30歳前後です。その後、脳細胞は1日に15万個のペースで脱落します。元の場所にいても、それは崩壊してしまっています。

そういうわけですから、一般に30歳を過ぎれば、脳細胞は減り始めます。ただしそれは、使わない細胞なのですから、何の問題も起こしません。これだけでは、ボケたことにならないのです。断っておきますが、神経細胞は分裂終了細胞ですから、再生することはありません。

年をとって、脱落した脳細胞の数が増えると、必然的に血液の需要が減るから、脳内の血管網の退行が始まります。スウェーデンのヘンシェンは、65歳を過ぎて正常な血管網をもつ人は7%に過ぎない、といっています。

脳の血管網の退行が現実にあれば、血液供給量が低下するから、脳の活動のレベルは必然的に落ちます。それがひどくならないうちにも変化は見てとれます。記憶力、判断力、思考速度が低下し、話がまわりくどく、同じことを繰り返すようになります。頑固、短気などの傾向がエスカレートします。

これが極端になれば、いよいよボケたといわれます。自分の名前も年も忘れ、昼夜の区別もつかなくなります。一瞬前の出来事も思い出せなくなります。

脳のタンパク質の量を調べた結果によれば、正常な人の場合、70歳まではほとんど変化がありません。しかし、ボケた脳では、顕著な減少があります。

これが低タンパク食の結果だなどとはいえませんが、改めてタンパク質の重要性を思わせられます。


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