菜食主義は理想か

菜食主義を信奉する人がいます。彼らは穀類や野菜など、植物だけを食べ、動物を一切排除することをモットーにします。菜食主義の指導者に言わせれば、人間は元来、草食動物であって肉食動物ではないから、穀類や野菜だけを食べることが本来の食生活なので、それこそが無病息災の道だということになります。

われわれの先祖すじにあたるサルが植物性の食物だけで暮らしているところをみると、人類はもともと草食動物だという説は間違いではないかもしれません。
しかし、動物の肉を食べるようになってから人類の頭がよくなったという説も一方にあり、アザラシの肉だけしか食べないというエスキモーもいるのですから、人間は元来雑食動物だと考えるのが正しいのではないでしょうか。しかし、菜食主義で健康を保つ人が現実にはいるのですから、問題はそんなに単純ではありません。

糖質、タンパク質、脂質の三大栄養素があれば健康に活動できると、昔の人は考えていました。それが、栄養学の進歩によって、ビタミンとか、ミネラルとか、微量ではあっても必要な要素があるということがわかってきたのです。
だから、植物性食品にそれがそろっているかどうかが問題になってきます。しかし、この問題は、菜食主義で長寿を保ち、心身共に健全な人がいれば、そのことだけで決着はつくと思います。

そこで、菜食主義は無条件に最高な食習慣であるのか、それとも、特別な条件のもとに最高の食習慣になりうるのかという、新しい問題がでてくると思います。

まず第一にいえることは、濃色野菜をよほどたっぷり食べないと、ビタミンAの不足が起きはしないかという点です。
これが足りないと、胃を十分に強く保つことができず、ストレスに弱いことになります。
そこでなんでも野菜さえたっぷり食べればよいといって、鮮度の落ちたものにまで手を出せば、甲状腺機能障害の原因になる亜硝酸塩を押し付けられてしまいます。新鮮な野菜なら、それは少ないのです。菜食主義者は、ストレスをはねのける安心立命の境地にいて初めて、健康長寿を全うすることでしょう。

菜食主義者は、木の実をつとめて食べないとビタミンB2をとりそこないます。そうなっては肝臓や腎臓が守れません。
また食塩にはビタミンB2を追い出す特徴がありますから、菜食主義者は塩辛い調味を避けなければなりません。それを怠れば、高血圧に見舞われるおそれがでてきます。
それに菜食主義者は大豆を腹いっぱい食べなければタンパク質の不足に陥ります。発育の点でも、怪我や火傷の場合にも、タンパク質の不足は不利です。
植物性の食品の決定的な弱点はカルシウムの不足です。菜食主義者の身長は、三〇歳を過ぎたら確実に縮んでいくだろうと思います。菜食主義者が卵を食べないことは、たぶん、有機塩素系農薬にやられやすい条件となることが予想されるのです。

 

 


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