認知症の原因は

脳の動脈が硬化している場合、血液循環はスムーズに行かず、酸素やアミノ酸などの栄養物質の配給が不足がちになります。このようなときにも、神経細管のくびれが想定されます。

要するに、すべての条件が完全でないと、球状タンパクのオリゴマー(ここでは二量体)の形成がうまく行かず、あるいは、ポリペプチド鎖が丸くならずに延びた形をとるなどして、管の通りを悪くするのです。このとき、タンパク質の三次構造は崩れています。

もともと、神経細管をつくるタンパク質は水溶性です。ところが、神経細管にくびれができたとき、それは不溶性になります。タンパク質の三次構造が崩れ、いくつかの分子が重合したためでしょう。万一、必須アミノ酸の欠乏があれば、一次構造が異常になり、結局は三次構造も異常となります。クワシオルコール患者の低い知能を思わざるを得ません。

いかなる原因からにせよ、神経細管がつまれば、細胞質の効果的な流動が不可能になります。そこで重大な結果が現れます。

すなわち、そこの樹状突起が崩壊します。樹状突起と呼ばれるものは、他のニューロンと連絡しており、互いに信号を交わす装置ですから、それが一つでも崩壊すれば、電話のケーブルが切れたようなもので、脳の通信網、つまり脳の本来の機能に支障をきたします。

こうなれば、言葉が出ないこともあるでしょうし、手が動かないことも、指の知覚がなくなることもあるでしょう。運動や知覚はともかく、記憶に障害が起きれば、これは痴呆(認知症)です。認知症の主たる原因が、神経細管の故障であることは、十分に想像できます。

実際に調べてみると、神経細管のくびれは、60歳以上の脳細胞に、ほとんど例外なく見られます。しかし、60歳を越せば誰でもボケるとはいえません。結局、ボケはじわじわ進行するものであって、最初のうちは目立たないのです。

遠くへ電話をかけるとき、最短距離の回線が使われるのが普通ですが、それがふさがっていると、迂回した回線を探して、それを利用することになります。このときは、だいぶ時間がかかります。年をとって、知人の名を思い出すのに時間がかかることがありますが、これは、最短距離にあたる樹状突起が崩壊して、迂回せざるを得なくなったのではないか、と疑わせる現象です。

要するに、ボケた脳の持ち主に起こるのと同じ変化が、ボケていない人の脳に、まだ小規模ではあるものの、起きているのです。

 

 


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