風邪に特効薬はない

「どうも医者の言うことが信用できない」という思いを抱いている人は多いようです。
その不信感を生む最大の原因は、やはり医師がやたらと薬を出すことでしょう。
事実、病院の規模が大きければ大きいほど、診察する時間は短いくせに、与えられる薬の量だけはやけに多いです。
これも保険医療の点数制による害悪ですが、十分な診察を受けたという気がしないうえに、どれが何に効くのか大した説明もないまま薬を出されるのですから、患者が不信感を抱くのは当然です。

ちょっと風邪をひいて病院に行っても、医師は平気で5〜6種類もの薬を何日分も出します。それを言われるとおりに服用している人は、実はとても少ないのではないでしょうか。
医者に「飲め」と言われれば、とりあえず出された薬を素直に受け取って帰るしかありません。

しかし、どう見ても症状のわりに薬が多すぎるように思えます。できれば余計な薬は飲みたくないから、自分の判断で捨ててしまう人も多いことでしょう。日本中で一年間にどれだけの薬がゴミ箱行きになっているか、想像がつかないくらいです。

こうして捨てられる薬は、医師に対する不信感の象徴みたいなもので、不信感が募れば募るほど、捨てられる薬も増えるに違いありません。

マニュアルどおり画一的に薬を与える医師も悪いですが、患者のほうも少し考え直したほうがよいです。
不信感を抱きながらも医師に頼らざるを得ないのは、自分自身で健康を管理できる知識を持っていないからです。
もちろん、一般の人が身につけられる知識には限界があります。すべての病気に患者が自分で対応できるわけではありません。
しかし、ある程度の勉強をしておけば、少なくとも風邪ぐらいで安易に病院に駆け込む必要はなくなるはずです。

たとえば、気温が急に冷え込んだときに風邪をひいたりすると、それを寒さのせいにして片づけてしまいます。なぜ寒いと風邪をひくのか、とは考えません。
たしかに、寒さと風邪のあいだにまったく因果関係がないわけではありませんが、寒いからといって誰もが風邪をひくわけではありません。

ところで、「風邪をひいた」といいますが、”風邪”という名の病気があるわけではありません。
私たちが風邪と呼ぶのは、鼻水や咳が出たり、喉が痛んだり、熱が出る症状のことです。
医学的に病名として表すときは、「かぜ症候群」となります。かぜ症候群は、普通感冒と咽喉頭炎、インフルエンザの3タイプに大きく分けられます。

風邪は、ウイルス感染症の一つです。
ですが、風邪のウイルスは私たちのまわりにいつでもたくさん存在しています。
体内に入ったウイルスがかならず風邪を引き起こすなら、私たちは一年中、風邪をひいてるはずですが、そうならないのは血液中の免疫細胞がウイルスを撃退しているからです。寒いと風邪をひきやすくなるのは、風邪のウイルスが寒くて乾燥したところに好んで棲息するのに加えて、気温が下がると血管が縮み、免疫細胞の数が減るためです。
したがって、免疫細胞が減らないような手だてを講じておけば、寒くても風邪をひかなくて済みます。

 

 


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