わたしたちの細胞の中心には核があります。そして、核のなかには核酸があります。その核酸の主要なものが「デオキシリボ核酸」すなわちDNAです。DNAは、核の外にもないことはなく、核をもたない細菌のような下等生物にもあります。

DNAは縄梯子のような形をした長い分子です。これをつなぐと、人間の一個の細胞のものだけでも、180センチの長さになります。そして、縄梯子のステップの数は120億あります。

このステップは4種類あって、これらの組み合わせが暗号になっています。人間のDNAは120億文字の暗号文といってよいです。暗号は3文字で一つのアミノ酸をあらわしています。したがって、DNAはアミノ酸の順序の暗号文といってよいです。アミノ酸のくさりはタンパク質です。したがって、DNAはタンパク質の構造を暗号文によって指令することになります。

このタンパク質は酵素です。また、DNAは親ゆずりであり、その本体は遺伝子です。そこで、「一遺伝子一酵素の法則」ということになります。わたしたちが親から受け継いだものは、DNAであり、酵素の構造以外のものではないのです。

 

 

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