変換ビタミン

ここでは、糖質・脂質・タンパク質などの分子状態の変換をさします。この変換には、当然のこととしてエネルギー産生の場合が含まれるわけですが、ここからは除外します。

まず、糖質変換をとります。これは多糖体の合成を意味することになりますが、人体でつくられる多糖体は、細胞膜の表面にあるケバのほかには、グリコーゲンと粘質多糖体のみです。私たちは、これらの代謝にかかわるビタミンやミネラルに注目すればよいことになります。

私たちの体内で利用される栄養物質として、ブドウ糖は高い位置をしめています。このブドウ糖の利用にはマンガンが関係していることが明らかになっています。

◉ 糖質変換ビタミンのリスト
→ビタミンA、ビタミンC、ナイアシン

◉ 糖質変換ミネラルのリスト
→クロム、モリブデン、マンガン

脂質の変換とここでいうものは、脂肪、リン脂質などの脂質の生合成をさしています。これらは、最も簡単な脂肪酸として知られる酢酸を出発点として進行します。

動物実験ではありますが、ラットにクロムを投与すると、肝臓でのコレステロールや脂肪酸の合成が促進されます。

◉ 脂質変換ビタミンのリスト
→ビタミンB2、ビタミンB12、ビタミンC、ビタミンH、ナイアシン、パントテン酸

◉ 脂質変換ミネラルのリスト
→マンガン、クロム

脂肪やリン脂質は脂肪酸を含んでいますが、そのうちには、体内で合成できない「必須脂肪酸」があります。これはぜひとも食品の形でとらなければなりません。必須脂肪酸以外の脂肪酸は自前でつくれる性質のものです。

必須脂肪酸は少なくとも二つあります。それは、「リノール酸」と「リノレン酸」です。

これとは別に、人体に不可欠な脂肪酸をあげると、それはリノール酸・リノレン酸に、「アラキドン酸」と「エイコサペンタエン酸」を加えて四つになります。アラキドン酸はリノール酸から、エイコサペンタエン酸はリノレン酸からつくられるといわれます。自前でつくれるということは、自前で十分な量がつくられることとは違います。したがって、アラキドン酸やエイコサペンタエン酸をとることには大きな意義があります。

リノレン酸・アラキドン酸・エイコサペンタエン酸は、それぞれ9種の「プロスタグランジン」の材料となります。プロスタグランジンは局所ホルモンとして重要な物質です。

アミノ酸はタンパク質の構成成分であって、その種類は20あります。それらのうち自前でつくることのできないものが9種あります。これを「必須アミノ酸」といいます。

脳内では必須アミノ酸が10種になります。それは、チロシンというアミノ酸が、自前でつくれないという事情があるためです。必須でないアミノ酸を「可決アミノ酸」といいますが、それは他のアミノ酸から変換代謝によってつくることができます。ここに登場するのが、アミノ酸変換ビタミンであり、アミノ酸変換ミネラルです。

この約束に添うものとはいえませんが、ここに一つの参考事項を紹介しておきます。

動物実験ではありますが、ラットにクロム欠乏食を与えてみると、グリシン、セリン、メチオニンなどのアミノ酸が、心筋にとりこまれにくくなります。クロムには、心筋のアミノ酸代謝を促進する作用があるということです。

◉ アミノ酸変換ビタミンのリスト
→ビタミンC、ビタミンB6、ビタミンB12、ナイアシン、パントテン酸

◉ アミノ酸変換ミネラルのリスト
→マグネシウム、クロム

メチオニンは必須アミノ酸といわれますが、自前で全くつくれないものではありません。ビタミンB12が働けば、アミノ酸システインからこれをつくることができるのです。

 


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