肩こり・頭痛・冷えは鉄不足や貧血が原因?

〜逗子・葉山・鎌倉の整体&ピラティス【Reformer逗子院】のコラム〜

鉄は金属元素の一つであって、わたしたちの体内になくてはならないミネラルです。鉄タンパクという言葉がありますが、それは、鉄を含んだタンパク質を指しています。その例は、≪ヘモグロビン≫・≪チトクローム≫などです。前者は血液を赤く染める色素、血色素であり、後者はある種の鉄酵素の総称です。

鉄を含むタンパク質はなかなか多彩です。エネルギー代謝系や薬物代謝系は電子伝達系をもっています。その立役者となる数種の鉄タンパクは≪チトクローム≫です。≪カタラーゼ≫などの活性酸素除去酵素もまた鉄タンパクなのです。鉄が栄養素として問題になるのは、何も、ヘモグロビン不足による貧血を心配するだけではないのです。

筋肉のなかにあって、ヘモグロビンと同様の働き、すなわち、酵素とゆるく結合してそれを保有し、必要に応じてそれを遊離する働きをする物質を≪ミオグロビン≫といいます。筋肉中の酸素は、ミオグロビンがあって初めて保有されます。呼吸を止めてもなお筋肉を働かせなければならないクジラなどは、ミオグロビンの量が多いのです。取り組んだまま頑張る傾向の力士も、クジラと同様です。ミオグロビンは暗赤色を呈しているので、クジラの肉は黒ずんで見えます。

鉄が欠乏すると、貧血になるわけですが、各種チトクロームも不足するので、様々な症状をあらわしてきます。それを列挙すると、疲労感・息切れ・頭痛・立ちくらみ・動悸・肩こり・不眠・手足の冷えなどです。

鉄は、上皮細胞の状態を左右します。鉄が欠乏すると、爪が割れやすく、スプーン状になったり、舌の先が痛んだりします。胃壁が異常になった結果として≪無酸症≫の起こることがありますが、これも上皮細胞が正常でないことによります。

出血は、生理的であろうとなかろうと、鉄の損失をもたらします。しかし、出血がなくても、汗をかいたり、細菌に感染したり、垢が出たり、毛や爪が伸びたりすることによって失われます。これを補充することを考えると、鉄の一日必要量は、3.7~11mgとなります。

女性の場合、生理的出血があれば、それの補充を考えると、一日に必要な鉄の量は男性より多く、15~20mgとなります。鉄は、その全摂取量が吸収されるわけではないからです。妊娠時には、鉄の必要量はさらに増大します。というのは、胎児は、生後二、三ヶ月分の鉄を母体から奪い取るからです。(一度の出産で母体のフェリチン値を50失います。)
妊婦が出産前に貧血する原因の一つはこれなのです。(欧米ではフェリチン値が50を下回る女性には妊娠を許可させないという話もあります。)

こんな話があります。乳児がひきつけを繰り返すので、血液検査をしてみたら、鉄の不足とわかりました。そこで鉄を与えてみたら、症状はなくなりました。この子の鉄不足は母親の責任でした。母親が玄米食をやっていたのです。玄米にはフィチン酸が含まれています。この酸は、鉄などの金属と結合して、それを水に不溶にします。そのために鉄が小腸から吸収されず、その影響が胎児に及んだ、ということです。低タンパク食でも、鉄の吸収は悪くなります。鉄不足の母親からは、発達障害児の生まれることがあるといわれます。

鉄化合物のなかの鉄には、第一鉄・第二鉄の二つの種類があります。第一鉄は酸化されれば第二鉄になり、第二鉄は還元されれば第一鉄になります。小腸から吸収されやすいのは第一鉄であり、ビタミンEの酸化の触媒になるのは第二鉄です。そして、第二鉄を還元するのに働くものの一つはビタミンCです。鉄と一緒にビタミンCをとることには、二重のメリットがありそうです。なお、第一鉄は原子価が二であり、第二鉄は原子価が三です。


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