便秘症を自分で直す

便通は、大腸の蠕動によって起きるものです。蠕動があれば、便意が起きます。大腸の蠕動がいちばんよく起きるのは、朝食時と朝食後です。ですから、朝食後に必ずトイレに入る習慣をつけることが、便通の正常化にとって、第一の条件となります。

また、大便の半分ちかくは、大腸菌、乳酸菌などの細菌です。ですから、細菌にえさをやって便の量を増やすことは、便秘を防ぐ条件の一つになるように思います。細菌の好むえさは、野菜、アルファルファなどのセルロース(線維素)や、梅肉エキス、プルーン、リンゴなどのペクチンです。どれも多糖体ですが、こういうものを十分に食べると、便通がつきやすくなります。

便秘に関係する消化管は大腸ですが、ここにいるいわゆる有用菌は、少なくとも20種あるといわれます。その20種の生活する場所はそれぞれ決まっていて、その棲み分けが乱れると、細菌の活動がスムーズに行かず、下痢や便秘を起こします。下腹を冷やした時の下痢や、多糖体の不足からくる便秘は、まさにそれだと思います。

かなりがんこな便秘が、サツマイモやプルーンであっさり解消するとは思えません。しかし、こういうものの役割りは無視できないでしょう。けいれん性便秘(交代性便通異常もその一つですが)がストレスの形とみられたとき、精神安定剤(トランキライザー)の使用をすすめる医師が多いようですが、分子栄養学の観点からすれば、それよりも先に、高タンパク食とビタミンCとをすすめたいと思います。目的は、ストレスに強くなるためです。ビタミンCは緩下剤にもなります。

なお、大腸の蠕動を起こす筋肉のためにビタミンB1が必要なことも、見逃してはなりません。また、大腸壁の粘膜の正常化にビタミンAが必要なことも、考慮の価値があるでしょう。