湿疹

生体膜という名の、きわめて不安定な、そして、そうであればこそ、細胞のデリケートな生命を養うことのできる膜が、細胞内小器官の膜でもある点を、十分に認識して頂きたいです。

それは、ひとたび野放しの自動酸化が起きれば、細胞が根こそぎ破壊されることを意味します。それは、ガン細胞なら歓迎したいですが、正常の細胞では御免被りたいものです。

過酸化脂質は、細胞膜にも生じ、細胞内にも生じますが、食品中に含まれたものが血液に吸収され、組織の細胞に、あるいは白血球に接触する場合があります。腸内の過酸化脂質が腸壁から吸収される形としては、そのままの場合もあり、さらに酸化をうけた二次酸化物の場合もあり、分解をうけた分解物の場合もありますが、ここではそれらを一括して過酸化脂質と呼ぶことにします。

湿疹という症状は、皮膚にしばしば起こります。これは、皮膚表面に生じた炎症です。

多くの場合、これは消炎ホルモンとも呼ばれるコルチゾンを薬剤化した「ステロイド」の塗布によってなおります。

副腎皮質ホルモンであるコルチゾンの作用は、リゾゾーム膜の強化です。すなわち、ステロイドを与えられた細胞のリゾゾームは、パンクの条件があっても破れることなく、リゾゾーム酵素の放出を抑え込むのです。これと同様な効果はアスピリン(アセチルサリチル酸)にもありますが、ステロイドの作用はとくに強力だといわれます。そして、広く恐れられているステロイドの副作用の一つは、リゾゾーム膜の過剰強化の結果です。

過剰強化されたリゾゾームの膜は、液胞との融合を不可能にするのではないでしょうか。アスピリンの副作用が問題にならないのは、膜を強化しても、液胞との融合を阻害しはしない、ということかもしれません。

いずれにしても、湿疹に対してコルチゾンが効果をあげるという事実は、この症状がリゾゾームの破裂に関係あることを示唆しています。

皮膚に分布する毛細血管の壁の細胞のリゾゾーム膜にパンクが起きて、その細胞が崩壊した結果、血管が拡張し、透過性が亢進して、血液ないしリンパの周囲の組織への滲出が起きる現象を、湿疹の実体として理解して間違いないでしょう。

湿疹にはビタミンE(d-αトコフェロール)の塗布がよいです。
「蕁麻疹」にもこれは有効です。

 

 


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