肋間神経痛は整体で治るか

〜逗子・葉山・鎌倉の整体&ピラティス【Reformer逗子院】のコラム〜

肋間神経痛は、<胸神経の前枝である肋間神経の走行及び分布領域における神経痛である>と定義されています。わかりやすく言うと、ある肋間の痛みで動きや、圧することによってその肋間だけに痛みが起こります。例外的に広い範囲に痛みがあることもあります。

原因は続発性の場合(ある病気があると起こるもの)、脊髄カリエス・脊髄腫瘍・大動脈瘤・肺癌などがあると部分症候となって出ます。特発性(圧倒的多数)は原因もないのに起こるということで、原因不明という意味に解釈すればよいです。ここではこの特発性を主体に考えていきます。

特発性は語源からして原因不明ですから、根本的治療はできません。結果として痛みをとるだけの対症療法にならざるを得ません。飲み薬にしても、注射にしてもただ痛みをとる薬で、薬が切れたらまた痛み出します。病気の治癒は本人の治癒力に期待するだけです。

そもそも本人の治癒力が充分あれば、病気などにはならないものですが、病気になったということは治癒力が衰えた原因が存在するのです。それを痛みを抑える鎮痛治療だけしても治ることはありません。肋間神経痛からその肋間に帯状疱疹ができることがよくあります。帯状疱疹が治ったその後の痛みは特別激烈だともいいます。

肋間神経痛→帯状疱疹→激烈肋間神経痛となります。肋間神経痛が治らないから帯状疱疹が生じ、帯状疱疹が治ったと思ってもまだ肋間神経痛は治っていないのです。

帯状疱疹が出るのは、肋間神経痛のある肋間だけです。帯状疱疹の原因は神経にウイルスが繁殖するからであるといいますが、神経は全身に分布していてしかも全部連なっているものです。それが肋間神経痛のある神経だけにウイルスが繁殖することに疑問が起こらないのでしょうか。神経の太さに関係があるとすると、隣接の肋間の神経もほとんど同じ太さであり、連結の上からいいますと神経節ですぐつながっています。

肋間神経痛は神経が弱ってきたから起こり、帯状疱疹は弱った神経にウイルスが繁殖するから起こると考えられます。

施術法をあげてみます。肋間神経痛の時、その肋間をたどっていくと背骨(椎骨)の明らかに変位しているところに達します。この椎骨を直すと肋間神経痛は痛みを消失します。すなわち治るのです。

原因はもうお判りでしょう。椎骨の変位が肋間神経への血行を阻害し、神経が悲鳴をあげているのです。

たかが一つの肋間神経が麻痺したところで問題ではないと考えているのでしょうが、ペインクリニックでは肋間神経ブロックという方法を採るようです。ですが、たった一つの肋間といえども神経を遮断して何の影響もないと言い切れる人はいないでしょう。

そうであれば簡単な原因療法を採るべきです。前記の椎骨を直すことです。

原因は椎骨の変位ですが、なぜ変位するのでしょう。事故・転倒・スポーツなどで体をねじった時のほか、日常生活でも起きるようです。多くは単独ですが変位がかなり大きいです。

椎骨が変位すると神経に機能低下を(ここでは神経痛)起こす理由として考えられることが二つあります。
一つは椎間孔での神経の圧迫です。
もう一つは椎骨周囲の硬縮によって、血流が悪くなり神経に栄養・酸素が充分供給されなくなるということです。

このようにして神経がダメージを受け肋間神経痛を起こしますが、椎骨を直すと肋間神経痛は消滅します。ダメージを受け、神経痛を起こしている神経に限り帯状疱疹ができます。すなわちウイルスが増殖するのです。椎骨を直して肋間神経痛を治した肋間には、帯状疱疹も帯状疱疹後の神経痛も起こりません。したがって神経ブロックのことを考える必要もありません。

ここで注目すべき現象があります。一つは椎骨のずれた側に限って神経痛が発症することです。ずれた側が反対側より硬いことが常ですから、その硬縮が神経痛を誘発していると、考えるべきでしょう。そうすれば、椎間孔で神経を圧迫するという理屈は影が薄くなります。なぜなら一つの椎骨がずれる時、その左右の椎間孔にはほとんど同じ狭まりが起こると考えられるからです。

もう一つ考えなければならないことは、肋間神経は痛むのに、同じ椎間孔から出ている内臓にいく自律神経は痛みを感じないことです。この神経が何の影響も受けていないということはありません。内臓に疾患や不調を起こしているのです。特に同一椎骨でも右と左で機能が違うという神経では、はっきり区別した症状が現れます。

もう一度具体的に述べてみます。右の肋間が痛いという人の胸椎7番が右にずれていることが判ったとします。この胸椎の右側は非常に硬い。これを直すと神経痛は消えますが、神経痛が長い間続いていたという時は、肝臓が悪くなっていて検査値が異常になっているか、異常でないにしても倦怠感や食欲不振など肝臓疾患の前の症状が出ています。

反対に左の肋間が痛い場合、同じ7番でも食欲旺盛や糖尿病のように高血糖になっています。

このように肋間神経痛が起こるほどの椎骨の変位が起きると、内臓にも必ず病変や異常が生じるので、自律神経もかなりの影響を受けているということが判ります。

肋間神経は痛むのに自律神経は痛みを発しないということを認識してもらいたいのです。

そうして痛みがないことは良いことと考えないで自律神経のことをしっかりと認識して、自律神経が充分に活躍するように守ることが自分の体を守ることであることを知って欲しいです。

肋間神経は背骨(自律神経)の代弁者なのです。

手がしびれるというと首を牽引し、坐骨神経痛のとき腰椎を牽引してなおそうとする。内臓疾患の時は、背骨の写真を撮ろうとも手を当ててみようともしない。なぜ手足の痛み・痺れの時は背骨にこだわるのに、内臓疾患の時は背骨を無視するのでしょうか。自律神経の一方(交感神経)または両方は、背骨から出ていることはどの医者も知っているはずです。

手がしびれる時、原因が頸椎であっても牽引しただけでは治らないですし、しびれる原因の多くは、肩関節が異常で手に充分の血が流れないからです。坐骨神経痛もそうです。

ですが、しびれる・痛いという時には、椎間孔に神経を圧迫する原因があると考えているようです。ところが、知覚のある肋間神経・坐骨神経は痛むが、知覚のない自律神経は、痛みが起こらないから自律神経には問題がないとしているものでしょう。

痛みがあれば痛みをとる治療に専念し、痛みがないと何も問題がないという考えが医学界のみならず一般にも普及しています。痛みがあってこそ異常が発見できますし、痛みがなくても異常のある神経があることを知っていなければ病気の根本原因は判りません。


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