自律神経失調ということ

自律神経は、自動制御神経ともいうべきものであって、その制御は、交感神経と副交感神経とによって実現します。したがって、どちらか一方が他方を圧倒するようなことがあれば、両者のバランスが失われ、いわゆる≪自律神経失調症≫となります。副交感神経は、抑制的に働くものとされますが、消化系と呼吸系に対しては、賦活的に働きます。この二つは、戦闘的な性格のものではなく、縁の下的なものであるから、と理解したらよいでしょう。

副交感神経の伝達物質はアセチルコリンです。この伝達物質は大脳皮質内でも働くものであるために、副交感神経の活動は、精神的活動の影響を受けやすい。ということは、精神的ストレスが、副交感神経を興奮させる、ということです。このような状態が続くと、消化管の活動がオーバーになって、≪胃潰瘍≫や≪十二指腸潰瘍≫を生じます。これは、5分、10分といった短時間で胃壁に孔をあけるほど強烈なものなので、油断がなりません。

このような≪副交感神経緊張症≫に対しては、副交感神経遮断剤または交感神経賦活剤が与えられます。

もともと、交感神経は、生体の戦闘体制を整える神経であって、これが緊張すると、血液は、心臓や筋肉に集中し、立毛筋は収縮します。このストレス状態はエネルギー消費が大きいので、長く続けば消耗が致命的なレベルまで高まります。交感神経系の伝達物質はノルアドレナリンです。したがって、交感神経緊張症に対しては、ノルアドレナリン拮抗剤が投与されます。これが、交感神経遮断剤となります。この種の薬剤は血圧降下剤としても使われます。

自律神経失調症は、自律神経不安定症ともよばれます。血圧が上下に激しく変動する現象などは、まさしく自律神経の不安定からきます。自律神経の失調もしくは不安定は、自動制御の乱調ですから、多種多様の症状をあらわしてきます。全身の倦怠感・疲れやすさ・のぼせ・息切れ・心悸亢進・頭痛・頭重・めまい・肩こり・手足の冷えやしびれ・胸部圧迫感・胃部不快感など、まさしく≪不定愁訴症候群≫という別名にふさわしい症候群があらわれます。

全身の疲労感は、脳の疲労からくる自律神経のバランスの崩れが原因です。これと同じ原因から、筋肉痛や神経痛なども起きてきます。

自律神経失調症の患者は、やたらに風邪をひく傾向があります。この場合、皮膚や呼吸器の粘膜の寒冷反射が麻痺しています。そのために、寒冷にさらされたとき、当然起こるべき表皮の収縮が起こらず、その結果として体温の喪失が起きて、インターフェロン合成が不十分となり、ウイルスの増殖を許すのでしょう。

 

 


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