静脈瘤について①

女性の脚に、ミミズのような形状の青筋を見ることがあります。
これは「静脈瘤」と呼ばれる病気です。
静脈が、本来の太さより拡張し、本来の長さより延長した結果、あのような異常を呈したのです。

静脈と呼ばれる血管は、動脈と逆に、心臓に向かって流れる血液の通路です。
したがって、足の静脈の血液は上方に向かって流れる血液の通路となっています。
そして、ふくらはぎの部分の静脈は、骨のきわ深部に二本、皮膚表面に近い浅いところに一本あって、三本が協力して、足のつま先を巡ってきた血液を心臓に送り返す役割をはたしています。

この三本のうちの二本は、深部にあるために周囲から圧迫される形になっているという点で、浅いところのものとは条件が違います。
血小板の凝集塊がここに流れてきたとき、皮膚表面に近いところの静脈ならば何ともなくて済んでも、深部のものは梗塞を起こすことがあります。

このような事態が、深部の一本に起これば、ほかの二本の負担が重くなります。
ことに、浅いところの静脈は、周囲から圧迫されない関係上、らくに太くなることができます。
すると、上行血流はここに殺到します。
そこで、この血管は無理に押し広げられ、膨らみすぎた風船のゴムのように、弾力を失います。
するとそれは、太くなるばかりでなく長くもなって回復できなくなります。それに、内腔の方々に仕掛けてある静脈特有の逆流止めの弁がばかになってしまいます。内径が大きくなりすぎて、弁がその機能を果たせなくなるのです。

本来ならば、足の静脈は、腓腹筋、すなわちふくらはぎの筋肉が緊張するたびごとにつぶされ、緊張がとけるたびごとに自分の弾力でつぶれを回復します。
その結果、すべての弁がポンプの弁の働きをして、血液を上方へ送る作業を遂行するのです。
結局、静脈には無数のポンプが仕掛けられているのです。だからこれを「第二の心臓」と呼ぶことがあります。

この逆流止めの弁が働かなくなれば、上行血流は本来の姿をとどめることができず、静脈内にたまる傾向がでてきます。そこで、静脈はますます太くなり、ますます長く伸びて、青筋が蛇行する形をとらざるをえなくなります。

このような状態では、そこの静脈全体が、瘤のように浮き上がってしまうところから、この症状に静脈瘤の名がついたのです。

このような静脈の変形は、そのポンプ作用の喪失にとどまらず、血管壁がその無理のために炎症を起こしている場合が多いのです。「静脈炎」とはこのことです。このときは痛みがあります。

静脈瘤のできている人は、その見た目が悪いことを気にはしても、それが重大な危険信号であることを問題にしない傾向があります。
しかし、油断は禁物です。

 


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