血液が充分まわらなくなる

②血液が充分まわらなくなる。

それは「こり」が血管を圧迫し、血管が圧し潰されるからです。たとえばあらたまった席で慣れない正座を長く続けていると、立ち上がったとき歩けなくなります。これは正座で血管が圧迫され血の流れが悪くなって起こったのです。また寒い霜や雪の降る朝、手袋なしで戸外にいると手がしびれて無感覚となります。これは寒さで皮膚や筋肉が引き締まり、毛細血管や細血管を圧し潰すから(交感神経の作用もあります)、血の流れが止まったり悪くなるからです。

本来、血管はやわらかいものですから、少しの圧迫でもその流れは止まります。血圧を測る時、最高血圧と最低血圧というのがあります。動脈の血流が止まった時の圧力です。最高血圧は心臓が収縮して血を押し出した時(働いた時)の圧力で、最低血圧は心臓が弛緩した(休んだ)時の圧力です。
高い人(高血圧症)は最高血圧200を超える人もありますが、境界血圧は140〜160間であるとされ、理想は120mmhgといわれます。(日本は製薬業界の意図で基準値が厳しくなっています。実際には、最高血圧は年齢+90くらい問題ないようです。)低血圧症では100mmhgを切る人もいます。血管圧迫で血流の止まる圧迫強さであり、最低血圧も血の流れが止まる圧迫強さで心臓の弛緩したとき起こる圧迫度で、最高血圧の10分の7くらいです。

ここまで述べたことは動脈の中の血の流れについてですが、血流確保のためには、静脈による還流が是非必要ですから静脈についても考えなければなりません。静脈はその働きのうえから(機能上)血管壁が薄いので、動脈に比べてはるかに弱い圧迫で血の流れが止まります。この弱い圧力で血管が圧し潰されることで静脈血が還流される仕組みになっているのです。これを「ミルキング作用」と言います。

「ミルキング作用」とは、牛の乳を搾る時のような作用ということで、最初、乳まめ(乳頭)のもと(乳房の際)を親指(拇指)と人指し指(示指)でしっかり握り、乳が逆流しないようにして、その次の中指、次の薬指、小指と力を順次加えていくのです。すると乳は勢いよく乳頭の先から飛び出します。

静脈には末端に戻らないように弁(静脈弁)が付いています。これが乳搾りの最初の動作の親指と人指し指の役目です。次々に握りしめる指の役目は、静脈を取り囲んでいる筋肉が果たします。筋肉が働く(緊張する)と血管を圧し潰すから血管の中の血液は心臓の方へ還っていくのです。筋肉がゆるんだ(弛緩)とき末端の方から血管の中に血が充満してきます。この繰り返しで血はよく流れます。

よく、「歩けば血行が良くなる」とか「脚は第二の心臓」というのは、このことを言っているのです。歩く動作は筋肉の緊張と弛緩の繰り返しであり、しかも脚の筋肉は大きくこれを養う血管も大きく長いから、血液循環の能率も上がるわけです。ただし、歩かないと第二の心臓の役目は果たせません。

このように圧迫に弱い血管は「こり」があるといつも圧迫されることになり、筋肉がゆるんだ時もその断面は、本来まるいものが楕円形となり、血が流れづらくなり必要な血流が不足することになります。静脈の「ミルキング作用」にしても血管の内容容積が少なくなるから、還流量は減少します。すなわち血液の循環は悪くなるのです。

血流が不足し血液の循環が悪くなると、次のような事が起きます。

① 圧痛や痛みが起きる。   ⇒   詳細はこちら
② 早く疲れる。(易疲労性)   ⇒   詳細はこちら
③ 冷えを感じる。(冷え性)   ⇒   詳細はこちら
④ 病気になる。病気が治りにくい。   ⇒   詳細はこちら


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