Repetitive Strain Injuries(RSIs : 反復性ストレイン損傷)という概念は日本ではあまり知られていませんが、
もう何年もずっと腰痛持ち、長年肩こりであるなど、慢性痛、慢性疾患と呼ばれるものはここに含まれます。
他には、四十肩・五十肩などの肩関節周囲炎、テニス肘、ゴルフ肘、手根管症候群、腱鞘炎、ばね指、ガングリオンなど、なじみ深いものばかりです。
一人の中で、複数の故障が生じたり、次々といろいろな故障が現れては消えたり残ったりするやっかいなものです。
現代人の生活はとにかく多忙です。
どんな仕事でも、いかに短時間で多くの成果を上げるかが求められる。
生産効率を上げることでライバルに打ち勝ち、あるいは個人の業績を上げたり、収入を増やそうとしたりする。その代わり、ほっとする時間、のんびりとする時間がどんどん減ってきている。
仕事そのものはどんどん専門化して、今やほとんどの人が専門家と言っていいのではないでしょうか。
オフィスワーカーは毎日パソコンを叩き続ける。料理人はフライパンを振り続ける。工場の作業員は電動工具や特殊な作業工具を使って、朝から晩まで働き続ける。スーパーのレジ係は、袋物を右から左へと動かしながら、バーコードを読み取り、レジを打ち続ける。介護・看護で腰に負担を掛け続ける。
多くの仕事において、身体の使い方という面から見ると、ある一定の動作をひたすら毎日繰り返す仕事がほとんどです。
同じことを毎日続けていると、身体の一定の場所にストレスが繰り返しかかり、少しずつ組織のダメージが蓄積されていきます。
初めのうちは、なんとなくだるい、思い通りに動かしづらいといった、症状というほどではない不快感だったものが、次第にはっきりした痛みやしびれ感に変わっていく。
この時点で早めの対策が立てられるといいのですが、たいていは「気のせい」「そのうち治るだろう」と軽くみてしまいます。
痛みがだんだん強くなって、仕事や日常生活に困るようになってから、初めて相談に来られます。
ですが、微小な外傷が累積して起きた障害なので、回復には時間がかかります。
組織の修復をうながすような施術や生活指導を行ったとしても、1、2週間で消えるものではありません。
数ヶ月から年単位の施術・生活指導が必要になります。
また、二次的な障害も起こりやすいです。故障した部分が治らないため、これをかばおうとして他の部分にも余計な負担がかかる。この負担が積み重なった部位に次の障害が起きてくる。つまり、悪循環に陥る。
たしかに、死に至るような病気ではないですし、痛みやしびれ感があっても、骨折や癌のようなわかりやすい概念ではないかもしれませんが、ご本人にとっては正常な日常生活・社会生活が営めなくなり、問題は深刻です。
痛みやコリを強く自覚する頃には、身体の色々な部位に問題ができていることが多いです。
当院で着実な改善が得られますが、ちょっとした違和感や軽い不調を感じるくらいの時点で、メンテナンスしていくことが大事です。