「肉を食べると胃がもたれる」は老化ではない?胃を鍛える唯一の方法

【この記事の概要】

「年とともに脂っこいものが食べられなくなった」「逆流性食道炎の薬を飲み続けている」。実はそれ、胃の筋肉が痩せ細っているサインかもしれません。胃もたれの本当の原因と、人生の最後まで健康でいるための「胃の鍛え方」を解説します。

「最近、焼肉に行ってもカルビが食べられない」
「揚げ物を食べると、翌日まで胃が重い」

このような変化を、単なる「年のせい」だと思って諦めていませんか?
実は、胃もたれは「胃からのSOS」であり、放置すると将来的な寝たきり(ロコモティブシンドローム)や骨粗鬆症に繋がる入り口なのです。

胃もたれの正体は「胃の筋力不足」

あまり意識することはありませんが、胃も「筋肉」でできています。
手足の筋肉と同じように、使わなければ痩せ細り、弱くなっていきます。

胃の役割は、入ってきた食べ物を胃液と混ぜ合わせ、ドロドロのおかゆ状になるまで力強く揉みほぐすこと(蠕動運動)です。

しかし、パンや麺類、あっさりした物ばかり食べていると、胃は「楽」をしてしまいます。
これらは消化が簡単なので、胃が本気を出して動かなくても、すぐに腸へ送られてしまうからです。

胃をサボらせると、筋肉が痩せていく

「胃に優しい食事」と称して、うどんやお粥ばかり食べていると、胃の筋肉はどんどん衰えます。
その結果、いざお肉(タンパク質)を食べた時に、それを消化するだけの筋力が残っておらず、「胃もたれ」として拒絶反応が出るのです。

胃を動かすスイッチは「タンパク質」

では、どうすれば胃を鍛えられるのでしょうか?
胃は自分の意思で腹筋のように動かすことはできません。しかし、唯一、胃を強制的に働かせるスイッチがあります。

それが「タンパク質の摂取」です。

胃には、「タンパク質が入ってきた時だけ、強力な胃酸を出して激しく動く」というプログラムが組み込まれています。
つまり、意識的に肉や魚などのタンパク質を摂ることが、唯一の「胃の筋トレ」になるのです。

「逆流性食道炎」の誤解と胃酸の役割

ここで多くの方が陥る悪循環があります。
「胃もたれが辛いから肉を避ける」→「さらに胃が弱る」→「胃液が出なくなる」というスパイラルです。

胃液が出なくなると、食べ物がいつまでも胃に残り、消化不良を起こします。
さらに、胃酸が少ないと「胃と食道の間にある扉(噴門)」がしっかり閉まらなくなり、ダラダラと胃液が食道へ漏れ出します。

「胃酸過多」ではなく「胃酸不足」かも?

胸焼けや逆流性食道炎の症状がある時、多くの方は「胃酸が出過ぎている」と考え、胃酸を抑える薬を飲みがちです。
しかし、分子栄養学の視点で見ると、実は「胃酸不足で消化が滞っている」ケースが非常に多いのです。

胃酸が出ていないのに、薬でさらに胃酸を止めてしまうと、一時的に症状は消えても、根本的な「消化能力」はさらに低下してしまいます。

胃の弱りは、全身の弱りへの入り口

胃が錆びつき、タンパク質を消化吸収できなくなると、そのツケは全身に回ります。

  • 骨粗鬆症:骨の材料(コラーゲン=タンパク質)が入ってこない
  • 筋肉の減少:身体の筋肉が痩せ、怪我をしやすくなる
  • ロコモティブシンドローム:足腰が弱り、将来寝たきりになるリスクが高まる

「年だから脂っこいものが苦手」なのではありません。
「タンパク質不足で胃が退化している」のです。

今日からできる「胃のリハビリ」

すでに胃が弱っている方が、急にステーキを食べると当然胃もたれします。
リハビリと同じで、少しずつ慣らしていくことが重要です。

  1. よく噛む:胃の負担を減らす基本です。
  2. 消化酵素の力を借りる:大根おろしや、レモン水などを食事と一緒に摂る。
  3. 分食する:一度に食べられない場合は、こまめに分けてタンパク質を摂る。
  4. ボーンブロスなどを活用する:消化への負担が少ないスープから始める。

胃が丈夫な人とは、「胃の症状がない人(=胃酸を止めている人)」ではありません。
「タンパク質をしっかりと消化・吸収し、自分の肉体にできる人」のことです。

人生の最後まで自分の足で歩くために、まずは「胃」から変えていきませんか?

あなたの胃は「消化」できていますか?

当院の分子栄養学カウンセリングでは、血液データから「胃酸がしっかり出ているか」「タンパク質が吸収できているか」を推測することができます。
胃薬が手放せない方、疲れが抜けない方は、一度ご相談ください。(血液データは必須ではありません。)

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