「異化」と「同化」

皆さんのなかには、私たち成人の場合、すでにからだは出来上がっているのだから、タンパク質がからだのもとだといっても、いまさらタンパク質を食べる必要はないのではないか、というような疑問を持つ方もおられるかもしれません。

もちろん、育ち盛りの子供や妊婦と比べたら、一般成人のタンパク質必要量は少なくてよいでしょう。しかし、タンパク質の補給を怠れば、様々な障害が起こります。

生命をロウソクの炎にたとえる話があります。これは決して文学的な発想ではありません。ここにロウソクの炎があったとしましょう。炎のなかでは炭化水素のガスが燃え、炭素の微粒子が熱せられて光を放っています。そして、炭化水素は酸化して二酸化炭素と水蒸気になり、炭素の微粒子とともに上昇気流に運ばれて炎の頂点から外に抜けます。これが連続的に起こるために、炎の内容は刻々と更新されます。炎の形は不変であっても、常に新しいガスが燃え、古いものは炎と分かれて行きます。これこそが生命の実相であるという話です。

私たち人間の姿は、そう変化するものではありません。
しかし、その内容は常に更新されています。ロウソクの炎と同じです。
もし、更新されないからだがあったなら、それは死体に他なりません。
生きているということは、常に新しくなる、ということなのです。

ロウソクの炎に、話を戻しましょう。
ロウソクの芯から立ち昇る炭化水素のガスは、燃えて炎になります。これを「同化」ということができます。ガスが、炎と同じものに化するのです。
一方、炎の燃えかすは、もう炎ではありません。炎と違ったものに変化して、そこを立ち去ったのです。これを「異化」ということができます。炎が、炎と異なるものに化するのです。

ロウソクは、同化と異化によって生きています。それと同様に、人間も、同化と異化によって生きています。
なるほど私たちのからだはタンパク質でできています。
私たちが生きている限り、そのタンパク質は、異化して肉体を去らなければならず、そこにまた新しいタンパク質がきて、からだを更新するのです。同化を行うのです。

私たちが、毎日十分なタンパク質を摂らなければならない理由は、まさにここにあります。
それは、生命の炎を消さないための不可欠の条件なのです。

タンパク質に生命が宿る、とこのことを表現してよいでしょう。
物質の新旧交代こそが生命の実体であり、交代するものがタンパク質そのものである、と考えることもできます。

そこからただちに、低タンパク食が生命の否定であること、また、健康の否定であることに気づかなければなりません。

 


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