予想外のことですが、骨には銅が関係しています。子犬に銅欠乏食を与えると、骨が変形し、しかも骨折しやすくなります。銅欠乏では貧血が起こりますが、この骨の異常が貧血の結果ではないことがわかっています。
骨の構造を見ると、骨細胞が結合組織に埋没した形になっています。結合組織は骨細胞の分泌物でできています。結合組織を鉄筋コンクリートにたとえると、鉄筋はタンパク質コラーゲンにあたり、モルタルは粘質多糖体にあたるでしょう。コラーゲンを合成する代謝にはビタミンCがかかわっています。粘質多糖体をつくる代謝にはビタミンAがかかわっています。コラーゲンは、三本の繊維が寄り合わさった形をとります。この三本のそれぞれはヘリックスになっていなければなりません。それがヘリックスになるためには、コラーゲン分子をつくるアミノ酸の一つプロリンが水酸基をつけてヒドロキシプロリンになっている必要があります。そうすれば、三本のヘリックスはきれいに絡み合って、三つ編みの繊維になります。これがまたヘリックスになっているので、この三つ編み繊維に対して、コラーゲンヘリックスという名前がついています。
コラーゲンヘリックスができるための条件は、プロリンに水酸基がつくことですが、ビタミンCがここにかかわっています。
コラーゲンを構成するアミノ酸の一つにグルタミン酸があります。これにカルボキシル基の枝がついていないと、カルシウムが沈着しません。このカルボキシル基の枝をはやす代謝にはビタミンKががかかわっています。
普通、骨と言った場合、それは「硬骨」をさしています。したがって、硬骨について、次のリストができることになります。
◉ 硬骨ビタミンのリスト
→ビタミンA、ビタミンC、ビタミンK
◉ 硬骨ミネラルのリスト
→カルシウム、(リン)、銅
硬骨に含まれるカルシウムは、リン酸カルシウムの形をとっています。そこで、ここにリンを加えたわけですが、普通の食生活で、リンはむしろ過剰になります。リンは積極的にとる必要はなく、ひかえるのが好ましいです。
骨には軟骨もあります。これは硬骨からカルシウム塩を差し引いたような組成をもっています。その事実が、軟骨ビタミンのリスト作成上の要点となります。
動物実験ではありますが、マンガン欠乏食が、軟骨の発育不全を起こすことが知られています。これは軟骨に特有とされる粘質多糖体の合成にマンガンがかかわっていることによる、と説明されています。この事実は酵素レベルで解明されているので、人間にも妥当する現象と見るべきです。
◉ 軟骨ビタミンのリスト
→ビタミンA、ビタミンC
◉ 軟骨ミネラルのリスト
→マンガン
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