「こり」の原因と整体治療

(A) 「こり」の原因

  “こり”の原因は関節の異常であり、その異常には❶癒着、❷変位があります。

❶癒着


→どのような病気でも、病気が起こった原因が判らなければ、治療効果は上がりません。”こり”があるから揉んでやわらかくしようとしたり、筋肉弛緩剤で弛めようと考えるのは全くの逆効果で、効果を期待することはできません。長い間「マッサージ」に通っていると、”こり”はだんだん強くなりもっと強い力で揉むように要求するようになります。また、数日も経つと”こり”がひどくて、揉まないではいられないというマッサージ中毒のようになります。

その「マッサージ」になぜ行くのでしょうか。医者が治してくれないからです。”こり”を治すのは医師の最も不得意とする部類でしょう。このように治すことが難しいから、痛み止め・塗り薬・貼り薬・磁石、それに高いマッサージ機や弱電気製品が飛ぶように売れます。これらも効果がないので、部屋の隅で埃をかぶり邪魔もの以外の何物でもないのが現状です。
   いずれも原因が判らず、原因をとる治療ではないからです。

   では原因は何か、と言うと、今の医学ではその原因が解明されていないのが現状のようです。
   例えば「肩こり」について教科書では、「原因は筋肉の疲労、精神的・肉体的過労のあとに起こるが、頸椎椎間板ヘルニア、変形性頸椎症、胸郭出口症候群、肩関節周囲炎などの頸肩腕症候群や、また胸部疾患、消化器疾患により、頸部や肩の筋へ各臓器の神経支配から関連痛として出現する。これに自律神経の失調、局所循環障害などが加わると考えられる。その他、高血圧症、低血圧症、婦人科疾患なども同様に肩こりの原因疾患となる。」と書いてあります。

理解できたでしょうか。理解できたとしても治療が出来るでしょうか。おそらくこれを理解して原因(根本)治療が出来る人はいません。それにしても、難解な専門用語・原因をたくさん並べたものだと思います。これだけで「されど肩こり」がご理解いただけるでしょう。

さて、この中には因と果か逆なものが非常に多いです。最初の「過労のあとに起こり」というのは、肩こりがあるから疲れるのであり、肩こりの原因が、症候群や肩関節周囲炎(四十肩・五十肩)・自律神経失調・局所循環障害を起こします。原因疾患としてあげられている胸部疾患・消化器疾患・高血圧症・低血圧症・動脈硬化もそれから起こるのです。

婦人科疾患が原因にあげてありますが、男性にも肩こりがあることを考えると、たまたま婦人科疾患がある人に肩こりがあったのです。決して原因ではありません。

あとに残るのは、頸椎椎間板ヘルニアと変形性頸椎症となります。前者は事故などで起こりますが、肩こりどころの話ではありません。手も脚も動かなくなり寝たきりとなります。椎間狭窄(椎間が狭くなっている)も含まれるということになれば、首(肩)こりが狭窄の原因です。したがってこの頸椎椎間板ヘルニアは、除外したほうがよいことになります。

椎間狭窄は、肩こりが起きると首の筋肉も硬縮する(“こり”を起こす)、すると椎骨は縮むことが出来ないから椎間板が圧縮されます。これをレントゲンで診れば椎間狭窄です。

最後に残るのは、ただ一つ変形性頸椎症(首の骨が棘のような骨が出るなどして変形してくる。高齢者に多く、先天性もあります。)です。この頸椎症の人のみに肩こりがあるのではありません。幼児期・青年期などの頸椎症のない人にも肩こりがあります。
   頸椎症は手が痺れる・腕が痛いなどと訴えてきた時にレントゲン検査で見つけるのですから、頸椎症があると同時に肩こりがあるということです。頸椎症があっても肩こりのない人もあります。

肩こりが手のしびれ・痛みを起こすというのは、肩こりで血の流れが悪くなるから手の神経がしびれ・痛みを起こしているのです。その証拠に肩を直すと、手のしびれ・痛みは治ります。肩を直し背骨を直すと原因としてあげられているほとんどの疾患が、治るか改善してきます。局所の循環障害など・・・というのは”こり”によって起こるものです。

 頸椎症が原因として、首の牽引をして治る人があるとしても、ほんのわずかです。このようにみてくると、原因として述べられている事柄はほとんど的を射ていない。原因がわかっていないということです。

真の原因

   五十肩が起こる(発症)前に、肩関節の癒着があるからこそ五十肩が起きます。(癒着が一部剥がれたとき五十肩を発症するのです。)肩関節に癒着があると肩こりが起きます。

ここで言う「こり」とは、こり=凝り=硬縮のすべてを言っているのですが、医学で言う「こり」とは患者が自覚する症状です。例えば「肩こり」といえば肩が凝ったと患者が自覚して、それを訴えた時に初めて肩こりの症状があるというわけです。

これを教科書では「肩こりはしばしば遭遇する症状である」となります。「肩こりとは頸項部より僧帽筋にかけての不快感・重圧感・こり感などや軽度の痛みを言う」と説明しています。したがって「肩こり」というのは、本人が自覚した時の症状で神経的なものであって、筋肉が凝って硬くなっている凝りとは異質なものです。「肩こり」のひどい人は背中も首も凝り、腕も痛いなどと言うから「頸肩腕症候群」などの病名もあります。

胸部疾患などの時、患者が肩がこるというと、症状として肩こりを書き込むのです。教科書に「筋肉の疲労・精神的・肉体的過労の後に起こる」とあるのは、この患者が感じる「こり」を意味しています。

原因疾患として列挙してあるのは、それらの疾患を診た時、肩こりを訴えたということであり、同時にあったというだけのことです。だから「婦人科疾患も肩こりの原因疾患となる」となります。

ここで言う”こり”は、定義で述べた通り自覚の有無に関係なく、正常の状態より硬くなった状態を言うので以降”凝り”と書くことにします。一方、医学的な”こり”は”こり”と書くこととし両者を区別します。

肩凝りがあるのに、自覚がある人とない人があることになります。自覚がある人は肩こりです。凝りがあると、教科書の説明のように疲労・過労の時には、自覚してきて肩こりとなります。凝りがあると疲労・過労を起こしやすい。問題はなぜ凝りが生ずるかです。

凝りの原因は関節の異常であり、その異常には癒着と変位があるのですが、その癒着の発生を考えてみます。

癒着の機序

   癒着と言うのは、リウマチの人が関節の軟骨がなくなり、手首を動かすと痛いので、動かさないようにしているとだんだん動かなくなり、ついには全然動かない骨がくっついたのです。関節は隣接する骨が、筋肉の働きで動くことによってその機能が全うされます。それが骨が動かないのでは関節機能は果たせなくなります。リウマチの人が、筋肉も痛いということが多い。このとき筋肉リウマチと言う医者があります。リウマチ患者の関節は関節リウマチと言うのですが、リウマチ患者の関節軟骨は脱落するから、肩関節や股関節のように大きい関節はもちろん、その他の関節も癒着を起こしやすい。その関節に関係する筋肉は凝りを生じます。それで筋肉痛が起こります。

リウマチ患者に限らず、誰でも関節が癒着すると筋肉に凝りを生じます。ムチウチや手術、腕の骨折などで長く入院して、長い間肩の関節を動かさないでいると、肩関節は癒着してくるから肩こりを起こすという例は非常に多いです。

癒着は、肩関節・股関節のほか、骨が互いに隣接する関節にはどこにでも起きますが、肩関節には多発、股関節には少し、その他の関節には稀です。なお癒着というと(四十肩五十肩のように)動かないはずであると考えるのが一般常識です。あえて癒着と言うのは、整体治療後に可動域を増すから仮に癒着と呼んでいるのです。

癒着の影響

   癒着が起こると、筋肉の凝り・局部の痛み・関節が動かない(機能障害)などのほか、血液の循環障害・神経の機能低下・神経痛なども起こります。五十肩がそれですし「肩こり」もこの癒着が最も多いです。股関節が癒着すると、そこが痛む・変形性股関節症が起きる・股関節が動かないので靴下も履けないようになります。

それほどひどくない初期の段階では、変位(ズレ)と共に脚・尻・腰(腰筋・脊柱起立筋)などに凝りを起こします。その他の関節では、リウマチの時や事故の骨折などで長く固定していると、癒着が起き動かなくなります。

ここでは肩関節の癒着について詳しく述べます。肩関節癒着=「肩凝り」→「肩こり」となりますが”肩凝り”があっても自覚のない人もかなりいますが、その理由は「肩こり」を起こすほど筋肉を使わなかったか、血の流れが悪くて神経が麻痺しているか、慣れによるもの=幼少の頃より癒着があり習慣となって感じないためでしょう。肩関節癒着=「肩凝り」→「肩こり」という図式には違いありません。

なお、成人のほとんど、成長期の児童・生徒・学生・の半数に肩の癒着があります。0〜2才児はすべてに癒着があります。

凝りの固さには段階があります。「こり」を訴える人の中にも、岩のようなという表現がありますが、硬くて親指で力一杯押しても凹まない人もありますし、かなり弾力性があって普通よりやや硬いという人もあります。また、かなり固いのに「こらない」という人もあります。肩の硬さは年齢・性別・鍛え方・肥瘦などでみな違い、どれが正常か判断が難しいです。

四十肩・五十肩の人は腕が充分に挙がりません。症状が進むにしたがって挙がらなくなってきて、ついには肩の高さまでも挙がらなくなります。いっぱい(極限まで)挙げるようにと伝えると、体を傾けてやっと肩の高さまで挙がります。このとき体を傾けること(背骨の側屈)と肩甲骨が、腕の挙がる(上腕を外転する)のを助けています。これらの助けなしにどこまで挙がるかをみるには、体をまっすぐにしたまま、肩の上を押さえて腕を挙げて見るのです。(他動的な検査)

こうすると、被検者が自由に挙げたとき、肩と同じ高さまで挙がった腕は、肩の水平線より45度も下で止まってしまいます。これは体の傾きが(約15度)、肩甲骨の動き(約30度)を助けていたからです。

なお、医学界では、肩関節の可動域=外転は肩甲骨の助けをかりて、180度で正常と言われていますがこの考えが間違いです。肩関節の助けなしに肘が頭に付くまで挙がる(220度位)のが正常です。

癒着のないときは、肘が頭に付くまで挙がります。癒着がひどいほど挙がりづらいです。(四十肩・五十肩を最高に無数の段階があります。)
癒着のないときは、「凝り」がありません。癒着がひどい程「凝り」もひどい。すなわち、腕が挙がりにくいほど癒着も大きく「凝り」も強いのです。
癒着をとると「凝り」がなくなります。「こり」も勿論なくなります。

肩の癒着の原因

①生来の癒着

新生児は、胎内で腕を挙げることが出来ないので癒着したままで生まれてくるのでしょう。

胎児は生まれて初めて肺呼吸をするように、肩も生まれた時は不完全ですが、生後動かして正常に完成するものでしょう。自然に無意識のうち腕を動かし、ぶら下がりなどするようになって完成しているのです。

しかし半数の人は、癒着を持ったまま一生を過ごすことになっています。この新生児に癒着があることがわかったら、早い時期に癒着をとればよいわけです。

②運動不足(可動域一杯まで動かさないため)

木の枝にぶら下がった時も、棚の物を取る時にも、手が垂直に挙がれば充分です。それが30度以上も余分に動くように肩関節は出来ています。このため癒着が起こります。肩甲骨は普通30度の外転援助ですが、癒着があると60度にも拡大します。少年期に癒着が取れていた人も、運動不足で再癒着します。

この道理をよく知らないと、癒着を放置したり、癒着がなくなっていた人がまた癒着します。

癒着の成り立ち(機序)を説明します。関節には骨が隣接して滑り運動をするため、その動きをなめらかにするためと痛みを起こさないために関節軟骨があります。関節軟骨には神経も血管もありません。それではその栄養はどこから得るかといえば、間質液から補給します。間質液はそのほか潤滑油の役目もします。

関節軟骨は肉眼で見ると、硝子のようですから硝子軟骨とも呼ばれますが、顕微鏡で見ると海面スポンジ状になっていて、ここに間質液が入り、この栄養で代謝回転をしています。もし関節を長い間動かさないでいると、軟骨にある孔の中の間質液は、そこに滞ることになり、栄養の欠乏状態となるから軟骨は脱落します。軟骨が脱落すると骨と骨は直接接するようになります。ここで癒着が起こります。

小学生→高校生→成人→高齢者と癒着率が高くなっていくのは、腕が挙がるからよいと思い、肩関節の運動を充分しないからです。

「四十肩」・「五十肩」は40〜50才くらいに最もよく起こるからこの名があります。医師の付ける正式の病名ではなく俗称です。若い人にも高齢者にも起こります。運動不足が癒着をだんだん大きくし「五十肩」になります。ならない人や遅くなるのは、50才でなる人よりよく運動したということでしょう。ここでいう運動とは、走ったり跳んだり、テニス・野球などして体を動かすことではありません。肩関節を充分に動かすことです。

肩をよく使ってやるスポーツをやっていても、悪い結果は多いです。よく使うだけに、よく気をつけて良い状態を保っていなければ故障します。

❷変位(=ズレ=亜脱臼=転位)

変位はどの関節でも起こります。肩関節・股関節・骨盤(仙腸関節)・膝関節・背骨(椎間関節)・腰仙関節・胸鎖関節などのほか、手脚の関節など、関節と言われるところはどこでも起こると考えていればよいです。

亜脱臼という人もいます。脱臼というほど大きくはないが、正常の位置から少しずれている状態であり、体に悪影響を及ぼしているものです。悪影響の最も大きなものは「こり」です。「こり」は大きな影響を及ぼします。

(B) 整体施術

こりがあるところから、どこに病気や悪いところがあるか判ります。その病気などをなおすために凝りの原因となっている関節を直せばよいのです。

要約すると、特定の部位の凝り=特定の関節の変位で起こる→特定の器官・臓器の病気となります。

たとえば喘息の場合、肩関節の癒着があり、これが肩や背中に凝りを生じさせます。肩の癒着をとると、この凝りはなくなります。なお背骨(頸椎・胸椎)に変位があったら、その骨も正常にします。これで喘息は治ります。

便秘は背骨と骨盤の境(腰仙関節)がズレていますので、その関節を直せばよいわけです。

膝関節に変形性膝関節症というのがあります。膝の周囲を触診すると、靭帯が肥厚しグリグリして痛がります。膝の変位した証拠であり、変位を直すと治ります。

このように多くの難病と言われるものも、原因である凝りを見つけ、その原因である関節の変位を直すと治るのです。

凝りは、血管を締めつけ血行を阻害します。その血行の不良が発病の源となり、自然治癒力を損なうわけですが、その原因除去によって、根本治療が出来るのです。


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