生理学的観点をもつ

人間は、数兆個の細胞の集合体です。そして、その細胞のうち、皮膚の角質層・毛・爪などのものを除けば、ほとんどすべてが生きています。

生きている細胞は、体液にひたされ、その原形質膜をとおして、体液とのあいだで物質を交換します。すなわち、細胞の内部の物質代謝に必要な栄養物質が、体液から細胞に入り、その物質代謝の産物が、細胞から体液ににじみ出します。

このように考えるとき、生理現象を支配するものとして、細胞の環境としての体液を第1にとりあげなければならなくなります。

ここで体液と呼ぶものは血漿であり、リンパです。ここには、栄養物質や代謝産生物のほか、酵素や有毒物質が含まれています。この有毒物質のうちには、体外から侵入したものもあるし、体内の胎児や細菌や回虫などの営む物質代謝の産物もあるし、ガン細胞の分泌物もありえます。

体液の組成は一様であっても、そこから吸収する栄養物質は、組織ごとに違います。これは、組織をつくる細胞の原形質膜の選択性によって定まります。ある組織が要求する栄養物質が不足したり、そこに有毒物質が侵入したりすれば、その細胞の物質代謝に異常が起こり、正常な生理的活動が営まれなくなります。

生体の組織や器官を支配するものには、体液のほかに神経系があります。しかも、体液の組成がまた、ある程度、神経支配をうけます。ストレス説は、このことに関係しています。体液は、神経支配をうけるまでもなく、代謝による老廃物や有毒物質を受け入れて増していきますが、肺・腎臓・肝臓はこれを処理して、体液の組成を一定に保つような調節作用を営みます。

それにもかかわらず、人の体液は、生まれてから死ぬまでのあいだ、一定の方向に変化していく傾向をもっています。すなわち、タンパク質および脂肪の濃度を次第に高めていきます。これは、食物から吸収されたこれらの物質が体液中に蓄積する結果ではなく、細胞内物質と体液物質との平衡条件の変化によるのです。

わたしたちが生理学的観点から広い意味での生活を見直すとき、組織や器官を全体から切り離して見るのではなく、それらを統一し、それらを生かしている体液に着目することが重要です。

 

 

 


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