性ビタミン

性ビタミン、性ミネラルといえば、もちろん、性ホルモンにかかわるビタミン・ミネラルをさすことになります。性ホルモン・副腎皮質ホルモンのなかまは、いわゆる「ステロイドホルモン」に属します。そしてその前駆物質はコレステロールであり黄体ホルモンです。黄体ホルモンの前駆体はプレグネノロンですが、ここからはまた、デヒドロエピアンという名の、性ホルモンの前駆体もつくられます。

ところで、プレグネノロンから黄体ホルモンへの代謝にはビタミンEがかかわっています。そこで、ビタミンEが性ビタミンの一つである、といってよいです。いうまでもなく、性ホルモンには、男性ホルモンもあり、女性ホルモンもあります。厳密にいうならば、性ビタミンのかわりに、男性ビタミン、女性ビタミン、性ミネラルのかわりに、男性ミネラル、女性ミネラルを問題にしなければなりません。

いうまでもなく、性ホルモンは「性腺」から分泌されます。性腺は、脳下垂体から送られてくる「性腺刺激ホルモン」の指令のもとにあります。ラットを使っての実現によれば、亜鉛欠乏食を与えられたものでは、性腺刺激ホルモンの分泌量が減少します。

アメリカでは、大豆レシチンを強精剤と考える人がいます。大豆レシチンには、じつは、レシチンでないリン脂質フォスファチジルイノシトールが含まれています。このイノシトールが、男性ホルモンに関係しているのではないでしょうか。

性ミネラルとしてはマンガンがあげられます。マンガンは精巣の変性を防ぎ、卵巣機能を正常化するといわれます。これは両性に共通なミネラルですが、男性のみに対するミネラルもないではないです。

男性ミネラルとしては、セレン、亜鉛、モリブデン、銅が登場します。これらは精嚢腺の機能にかかわっているのでしょう。ビタミンEは精子の数を増やします。ビタミンB2欠乏食を与えられたネズミでは、睾丸・前立腺・精嚢腺などの萎縮が見られます。また、ビタミンA欠乏食を与えられた牛では、発情のおくれや消失が見られます。

◉  男性ビタミンのリスト
⇒ビタミンE、ビタミンB2、イノシトール
◉  男性ミネラルのリスト
⇒セレン、亜鉛、モリブデン、クロム、銅、マンガン

性ビタミンといえば、それは両性に共通なものが多いですが、例えば、ビタミンCの排卵誘発作用に目を向ければ、それは特筆しなければならなくなります。動物実験によれば、ビタミンE欠乏食を与えられたものは妊娠しません。その事実から、ビタミンEの化学名トコフェロールは与えられたものでした。これを子宝ビタミンといった人もいます。したがって、ビタミンEの性ビタミンとしての価値は、女性の方が大きいことになるのかもしれません。

◉  女性ビタミンのリスト
⇒ビタミンA、ビタミンC、ビタミンE
◉  女性ミネラルのリスト
⇒亜鉛、マンガン

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