ビタミンHの働きは?

ビタミンHは「ビオチン」ともよばれます。
生卵を10個も飲むと、顔が青ざめて気分が悪くなります。それはビタミンHの不足によると考えられています。
ビタミンHは脂肪の代謝に関係しているので、これが欠乏すると、口やまぶたに炎症が起きたり、ニキビが出たり、頭以外のところからフケが出たりします。急性症状として、気分の悪さがあるのです。

ビタミンHは、卵黄、牛乳、ピーナッツなどからとれるばかりでなく、腸内細菌による合成もあります。ところが、ビタミンHと結合して、それを不溶性の物質に変え、腸壁での吸収を不可能にする「アビジン」というタンパク質が卵白に含まれています。
したがって、卵白が腸内にあれば、すべてのビタミンHは、吸収されないことになります。そこで、生卵をたくさん食べれば、ビタミンH欠乏症が起きる、ということです。

ここで、アビジンはビタミンHの「アンチビタミン」となっています。卵白を加熱凝固させれば、アビジンは活性を失います。卵白がアンチビタミンをもつのは、増殖のためにビタミンHを要求する細菌に向けての卵の自衛手段です。