傷口の治癒に欠かせない

壊血病になると、すっかり直っていたはずの古傷が、ぱっくり口をあける。こんな気味の悪いことが、なぜ起きるのでしょうか。ガラスの破片で皮膚に傷がつき、出血するような時、傷口が大きければ縫合しなければなりませんが、大抵の場合、自然になおります。

このような創傷ができた時、創面にはビタミンCの集中のあることが知られています。血液の運んできたタンパク質、またはアミノ酸を原料として、結合組織を合成し、これで傷口をふさぐ必要がありますが、ビタミンCは、ここで一役買うために、創面にやってきたのです。

これだけの説明で、すでに御察しのことでしょうが、創面をふさぐ結合組織の主要成分はコラーゲンです。したがって、タンパク質とビタミンCがなかったら、傷口は閉じないのです。

結合組織は生きた組織です。したがって、そこでは、代謝回転が行われています。それはつまり、コラーゲンが絶えず更新されているということであって、すでにあるコラーゲン分子がこわれ、あとに新しいコラーゲン分子がつくられることに他なりません。この代謝速度は極端に遅いのですが。

前者は「異化」、後者は「同化」です。一般に、生きている組織では、常に異化と同化とが表裏の関係にあって、更新が行われているのです。

壊血病患者で、古傷の創面が開くのは、そこを閉じていた結合組織では、異化が行われた時、それに見合うだけの同化が行われないためと考えてよいです。結合組織の同化では、コラーゲンの合成がなければなりませんが、ビタミンCが不足では、それができないということです。コラーゲンが不足であったり奇形であったりすれば、創面がふさがらなくて当たり前なのです。

創傷の修復の必要性は、人間の特権ではありません。他の動物は勿論のこと、植物にもこれはあります。トマトやリンゴを切った時にも、創面にビタミンCが集まってきます。ただし植物の場合、循環系がないから運搬手段が欠落しています。おそらく、アスコルビゲンの形で存在していたものが、創面で空気にふれることが引き金となって、アスコルビン酸にまで分解するのでしょう。

壊血病患者についてのこの教訓は、外傷や手術などの際に、私たちの留意すべき条件を教えています。
創傷の治療のためには、何よりもまず、ビタミンCとタンパク質を十分にとることです。


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